泥酔亭の成り行き日記

p-14非常にスリリングなラーメン屋を脱出し(もちろん不思議な味のウーロンハイは残した)ホテルに戻り、旅の必需品木曽の毒消しの妙薬「百草丸」を服用して就寝。
そのせいか翌朝は腹下りもなく、無事に目が覚めた。
で、表はと見るとあいかわらず細い雨がしとしとと降っている。
マダムを部屋に残し、レンタカーを借りに「ガッツレンタカー 浜松駅前店」に向かう。
念のため地図アプリで場所を確認したら、ここから1.5kmも離れている。
駅前のホテルから1.5kmも離れていて「駅前店」はちょっと無理があるんでないべか・・・。
GreetingManager・・とか、ブツブツいいながら、雨の中をとぼとぼ歩きやっと到着。
さ、これから国道1号線をひた走り、目的の三島まで約150kmの道のりだ。

昨今のレンタカーにはナビが付いているので、迷うことなく国道1号線に合流。
あちらこちらに寄り道もしたいので、あえて高速は使わない
もしかすると内地によくありがちな、狭くうねうねと曲がりくねった道路なんじゃないかという予想を裏切り、まるで北海道のように広くて走りやすい。
雨降りなんで景色は望めないので、途中いくつかある道の駅に停まり、おみやげなんぞを物色。
さて朝からなにも食べていないので、そろそろ昼飯にしようと、マダムが色々と検索した結果、焼津に良さそうな市場食堂を発見。

ちょいと迷ったが無事「小川漁港 魚河岸食堂」に到着!
ものすごい数のメニューの中から、マダムは「上刺身定食」こちらは名物が色々味わえるってんで「駿河定食」にした。
食券を買い、番号が呼ばれたら取りに行くセルフ方式。
マダムの定食も美味そうだったが、なんといっても駿河定食。
名物の黒はんぺん、生しらす、かつおとまぐろの刺身、桜海老のかき揚げ、なぜかりんごのゼリー・・・と、車でなければ、熱燗の一本も注文したくなる品揃えだ。
これで¥1,500ってんだから、たいそうなお値打ち定食だ。
P_20171016_132212_1

すっかり大満足で店を出て、一路三島へ向かう。
それにしても、内地の道路ってなんでこんなに時間がかかるんだべか?
とくに渋滞しているわけでも、スピードが出せないわけでもないのに、50kmぐらい走るのに2時間以上かかっている。
北海道と時間の進み方が違うんだべか・・・?

とか思いながら、「農兵節」を口ずさみながら、またまた国道1号線を東に走る。
♪ 三島女郎衆はノーエ 三島女郎衆はノーエ はぁ三島サイサイ
女郎衆は石の地蔵さん・・・♬

いいかげん止めよ雨!
P_20171016_132005

前回のブログからあっという間に半月も過ぎてしまった。
季節は一気に冬に突入
これからまた長い冬との楽しいお付き合いが始まる。
あーあ、なんでタヒチあたりに生まれなかったべか・・・。
っていうか、福井県に生まれたはずのジイさん(伊藤金作さん)も、なんで北海道に渡ってきたんだべか・・。P_20171015_201725
とまぁ、毎年のようにこの時期はかなり気分がダウンする。

で、話は変わって、初めての浜松の夜
飛び込みで入った居酒屋の雰囲気、料理、酒、どれもがツボにはまって気分よく店を出た。
若い頃とちがって、旅の恥はなんとやらとばかりに、飲み食い散らかすようなことは、無数の失敗とともにキッパリやめた。
この気分のいい状態で、ホテルに帰れば清々しい朝が待っている・・はずだ。

aa080590e2d1a85db50d83f030cee093伊藤家旅の鉄則、第一条は以前も書いた「飲食店の行列には並ばない」
第二条は「ホテルに戻る前にコンビニに寄らない」
これは酒飲みなら経験したことのある人は多いはずだ。
さんざん飲み回って、もう飲めるはずもないのに「小腹が減った」とかいいながら、吸い寄せられるように深夜のコンビニ入り、なぜか酎ハイやらハイボール、カップ酒をしこたま買い込んで、食えるはずもないエビドリアだの、焼きそばチャーハンセットなど買ってしまう。
しかも食えるはず、飲めるはずもないはずの、それらはなぜかすべて胃の中に収まっていて、翌朝の二日酔いを倍加させる。

この二ヶ条は、心に染み込んでいるので、せっかくの旅の一日目はこのまま気分よく終わろうとホテルに向かった。
そのとき目に入ったのが「創業 昭和二十◎年」という看板のラーメン屋。
ふと「そんな老舗なら、さぞさっぱりした昔風の胃袋にやさしい一杯を食わしてくれるんでないべか?」という気持ちが頭をよぎった。
ま、ビールの一杯でも飲みつつ、明日の計画を練りながら、締めのラーメンでもすすろうかと暖簾をくぐった。

すると、そこに待っていたのは、のれんを守り続けた気のいい老夫婦などではなく、汚れたエプロンとよれよれのTシャツの国籍のよくわからない人たち
しかも座ったテーブルの下には、前のお客さんの使ったとおぼしき使用済みティッシュが落ちている。
ひとまず被害の少ない缶から注ぐだけの角ハイボールをオーダー、危機感の薄いマダムはウーロンハイを頼んだ。
で、無難に醤油ラーメンを注文して、トイレにいくと、そこは想像以上のカオスな空間で、食欲がなくなるどころか酔いまで冷めてくる始末。
P_20171015_220350

席に戻ると、なぜかマダムはキムチまで頼んでいる。
まさか長居する気か?
出てきたラーメンは、見かけは普通だが予想通りの気の抜けた代物。
マダムは「ウーロンハイってこんな味だった?」と不思議がるが、おそらくいつ封を切ったかわからない年代物のペットボトル入りウーロン茶を使用していると思われる。
ようようのことでこの魔界から抜けだした頭のなかには、新たな旅の鉄則第三条が浮かんでいた。
旅先での締めのラーメンはよせ!
P_20171015_194302

original駅の近くでも安いホテルは、だいたい裏口?の方にある。
だもんで、飲み屋のかたまっている方へ行くのには、高架下をくぐって反対口に向かわなければならない。
初めての浜松市は予想していたよりも大きな町で、ミニ札幌といった感じだ。
日曜日なので休みの店も多く、あちらこちら歩きまわって、階段下の看板にちょいと惹かれるものを感じた店に入った。
階段をあがると、入り口はなにやら高級クラブのような佇まい。
看板に書いてあった料金は、しごく常識的な値段だったので、えいやっとドアを開けた。
・・するとそこは入り口以上におしゃれな雰囲気。
居酒屋というよりは、高級バーか洋風割烹のようだ。

教育の行き届いた従業員に促されて、カウンター席に座り、まずはビールで乾杯。
それにしても、ここ数年は単純に「居酒屋」とか「酒房」なんて書いてある店が少なくなってきている。
ここも「色彩和房」なんて肩書が付いている。
ほかにも「酒肴遊善」だの「楽食楽飲」「酒心食遊」「座ダイニング」だの色々工夫をこらしている店名を見かける。
だんだんわれわれのようなもんの居場所がなくなっていくような気がするね。
0006048070E2_740x555y

P_20171015_200245で、マダムのお目当ての「キンメダイのお造り」「ねぎま串」などを注文して、静岡の地酒「白隠正宗」に移る。
しゃれた店だったけど、いったん飲み始めたら、不思議と落ち着く。
初日でもあることだし、そろそろおいとましようかと思ったところ、頼んでいた「メゴチの唐揚げ」が出ていないことに気がついた。
忘れてるならそれでもいいかと思って、席を立とうとしたら「お待たせいたしました」と運ばれてきた。
時間をかけてじっくりと揚げられたメゴチは、頭から尻尾までサクサクと食べられる。
忘れていたわけではなく、きちんとした仕事をしていてくれたようだ。

熱田の「舟寿司」といい、ここ「色彩和房WASABI」といい、今日はなかなかにあたりが良い。
で、このまますめば浜松の夜もいい思い出ばかりだったはずなんだが・・・。
世の中、そういいことばかり続くものではない。
P_20171015_203714

このページのトップヘ