泥酔亭の成り行き日記

2011年05月

古今亭志ん生の「饅頭こわい」のまくらで、「虫の好くヤツと好かないヤツ」の話が出てくる。
気の合うヤツってのは一度会っただけでも「なんかこぉ」気に入るもんだし、合わないヤツはちょっとしたことでもカンに触ったりする。
shinsyou志ん生いわく人間誰でも腹ん中に虫がいて、「そいつがこぉ」好いたり嫌ったりするそうだ。 
会った時からなんとなくウマが合う人もいれば、話せば話すほどしらけていく人もある。
またこの「虫」ってのも時々入れ替わるのか気まぐれなのか、このあいだまでごく親しく身内のように付き合っていても、何かの拍子にまったく付き合わなくなったり、ひどいときには顔を見るのも嫌になることだってある。
なんとも不思議なものだ。 縁のある人はごった返しの人ごみの中でもばったり顔を合わすこともある。

このあいだ、「ダンシング・チャップリン」を見ようと、札幌のミニシアター「キノ」に行った。
久々の札幌でもあることだし、キノのある狸小路の近くに泊まることにした。
札幌で飲むといつもヘベレケになるので、その日はお忍びで大人の飲み方をして、ごくあっさりと札幌の夜を楽しむつもりだった。
うなぎ屋で軽く燗酒を飲んで、帰り道の座って飲める立ち飲み屋(紹介者いわく)へ少し寄ることにした。
kin1その店ときたら、紹介のとおり安いのなんの。
写真の刺身の盛り合わせが¥1,000。
鮑のステーキが¥600。
おまけに60分飲み放題で、¥880。

微妙に曲がりくねったカウンターの奥に座って、酒をちびちび飲んでいたら、遠くの正面に座っている男と目があった。
なんとそれはそこを紹介してくれたWくんとその友達。 やぁやぁ奇遇なこともあるもんだってんで、大人の夜もへったくれもいっぺんに吹っ飛んだ。
で、そこの店を自分ちのように飲み散らかし、お次の店へ・・・。
気がついたらホテルのベッドの上でひっくり返っていた。
頭のすみには、楽しかった余韻が残っているのだが、詳細はまったく不明。
知らない町でよくここまで無防備に酔えるもんだ。
W君!これも虫の引き合わせだと思ってあきらめてくれ。

そしてまったく憶えていない2軒の店のマスター、従業員の方々も・・・。

やるという話は聞いていたが、やはりミチロウさんが福島で音楽イベントを開催する。
出演者はまだわからないが、坂本龍一やギタリストの大友良英、福島在住の詩人和合亮一などの名前が上がっている。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110508/k10015756251000.html

音楽だけではなく詩やアート、パフォーマンスなどかなり大規模なコンサートになりそうだ。
時期は8月15日、場所は福島市の公園「四季の里」、入場は無料。
ちょうど8月はまだライブの予定が入っていない。
しかも8/15は月曜日。
ディランの定休日に合わせてくれるとは、ミチロウさんも憎いことすんね。
詳しいことはこれからだが、これはなんとしても行かなくては!

そしてできるだけ福島の「いま」を見てくるのだ。

さ、思いっきりインドア派のわれわれ夫婦もこれを機会にアウトドアデビューするぞ!
よし!さっそくテントと寝袋を買いに行くべ!


本当は続けて書こうと思ってたが、連休が思ってた以上に忙しくてすっかりさぼってしまった。
ズバリ850万のペルシャ絨毯はあきらめたが、だれかあれを買った人はいるんだべか?
世の中は広いから「おっ安い!買った!」、なんていう人もいるんだべね。

それはそうと、以前沼田町の久保さんから「愛と平和の6日間 フリーコンサート」のお誘いを受けていた。
ヒマがあったらギターでもぶら下げてあそびにいくべかと思っていたが、地震と原発問題で頭から湯気を出しっ放しだったので、すっかり失念していた。
そこへもってきての選挙。
ディランは駅前なので、大勢の候補者がこれでもかと名前を売りに来る。
おかげで慢性的な寝不足・・・さらにそれを補うための大量飲酒ですっかり疲れきっていた。

「沼田町ロック弐年」と銘打たれたフリーコンサート。
ロック元年は去年「喫茶 昭和プラス」で行われた三宅伸治ライブだった。
んだば「弐年」はアマチュアによる無料ライブかと思っていたらさにあらず。
実は久保さんの町議への立候補だった。

開票日にメール添付されてきた写真を見てビックリ。
そこには長髪でギターを引いている久保候補の姿が・・・。
しかもギターのストラップは元パンクロッカーらしくかなり低い!
いいぞ!沼田のミック・ジョーンズ。
kubo
いいねぇ、まるで生徒会長の選挙みたい。
いつかこんな日が来るかも・・と、思ってはいたけど、まさか生きているうちに見られるとは。
つくづく長生きはするもんじゃ。

で、結果はってえと、堂々のトップ当選!
沼田町の民度の高さを感じるねぇ。
もちろんただ気をてらっただけのパフォーマンス野郎に大事な一票を投じたわけではない。

久保さんはオペラを招聘したりロックライブを主催したりするほか、PTA会長や消防団、夜高あんどんなど沼田町の様々なシーンを牽引している。
だからこそのトップ当選だ。

翻ってわが町の選挙ときたら、四年前のビデオを流しているかのような旧態依然としたスタイル。
市長こそ新人が当選したが、それ以外はあいかわらずの顔ぶれ・・・

日本はいろいろな意味で大きな転換期に差し掛かっているのは間違いない。
これからはますます地方の存在が大きな位置を占めていく。

その中での今回の久保さんの当選は、多くの可能性を示してくれたような気がする。



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