泥酔亭の成り行き日記

2011年07月

まず何にしろCDが安くなって嬉しい限りだ。
レコードを買い始めた小学生の頃、シングル盤は¥400、LPは¥2,000ほどもした。
卵が物価の優等生だというなら、レコード(CD)もかなり優等生ってことになるのか?
しかし、作ってる方としては制作費がかかる割にはそれを定価に転嫁できないわけだから、いくら作ってもその頃より儲からないのだろう。
それはそれとして、われわれにとっては安く手に入れられる方がイイに決まっている。

howrinってなことで、このあいだのジェフ・ベックの三枚組セットのように、若い頃買いそびれたLPなんぞを見つけてはすこしずつ買い揃えたりしている。

このあいだも若いころ買いそびれたシリーズとして「ハウリン・ウルフ ロンドン・セッション」を手に入れた。
お客さんに勧められて観た映画「キャデラック・レコード」でのハウリン・ウルフのすごいこと!
まるでブルース界の村田英雄って感じだ。

白人でありながらブルースの魅力にとりつかれたレナード・チェスが創り上げた奇跡のレーベル「チェス・レコード」
マディ・ウォーターズを始めとして、リトル・ウォルター、ボ・ディドリー、チャック・ベリー、エタ・ジェイムスなどブルース、R&B、ロックンロールのあふれる宝箱のようなレーベルだ。

その立役者の一人、ハウリン・ウルフが渡英したとき、地元の若手ミュージシャンとセッションしたのがこれ。
今年来日するというエリック・クラプトン、スティーブ・ウィンウッドのほか、ストーンズのチャーリー・ワッツ、ビル・ワイマンも参加して飛び切り元気な演奏を聴かせてくれる。
これが送料込みで¥640で手に入るってんだから、なんだか申し訳なくも思えてくる。
simon
ついでといっちゃなんだが、ベスト盤でしか持っていなかったサイモン&ガーファンクルも買うことにした。
五枚のオリジナル・アルバムにボーナス・トラックが何曲か入り、ジャケットは名曲「ブックエンド」を意識してか本のようなりっぱな造りになっている。

それがなぜか新品で¥2,511(送料込み)・・・。
おいおい、サイモン&ガーファンクルは気を悪くしないのか?

なんにしてもこの値段で「サウンド・オブ・サイレンス」「スカボローフェア」「ボクサー」「明日に架ける橋」などの名曲が、素晴らしい音質で聴くことができるのはありがたい。

こんな調子で若い頃遊ぶ金の犠牲になった名曲たちは、今頃になって少しずつ飲んだくれおやじの手元に集まってきている。

koganei11cセッティングが終わり、打ち上げの料理も作り終えたので、ちょっくらブログでも書くべか?と、思っていたら、予約の電話などでにわかに忙しくなってしまった。

で、結局はライブの次の日、しかも夜中になってから書くことなってしまった。
ライブ前の告知がライブ感想記になってしまったわけだ。

その前にTwitterで面白いのを見つけたのでちょいとご披露。

●「お前は見られている」が宗教。
「見られていなくても」が道徳。
「どう見ているか」が哲学。
「見えているものは何か」が科学。
「見えるようにする」のが数学。
「見ることが出来たら」が文学。
「見えている事にする」のが統計学。
「見られると興奮する」のが変態

っんまいこというね。
んだば、見えないものを全身で感じようとするのがライブってことだべか。

ま、それはさておき今回も大宮、札幌、妹背牛、富良野と地元以外の人たちがたくさん来てくれ、大いに盛り上げていただいた。
初めて会った人たちもすぐに打ち解けて、ライブの始まる前からとても和んだ雰囲気。
やはり音楽という触媒があると、心が開きやすくなるんだべかね。
それに応えるように、黄金井脩も感動的なライブを聴かせてくれた。
やっぱしライブはいいね!
細胞が活性化するような気がするわ。

で、恒例の打ち上げ料理のご紹介。
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ブロッコリーと豆腐の中華ドレッシング・サラダ
サムジャンをベースにして、にんにく・生姜・酢・醤油などに刻んだキムチを和えた特製ドレッシングをかけた、ピリッと辛めだけどさっぱりしたサラダ。
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夏の定番・ゴーヤチャンプルー
今回はキャベツや人参も入れて、ボリュームアップ。
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チキンとズッキーニのケイジャン・ソース和え
黒胡椒を効かせて揚げたチキンを、クミン、パプリカなどのスパイスで味付けたピリッと辛いトマト味のソースで絡めた。
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おなじみ!フルーツ・ピザ
パインや白桃などを散りばめたライブの定番。

そして写真に取れなかったが、本場名古屋の冷やしきしめん
マダムお手製のツナのきのこの炊き込みご飯。
さらに日本酒、焼酎にぴったりのナスの漬物

あとはライブで高揚したひとたちの温かい会話が、一番のごちそう。
今回は妹背牛から来てくれたみずっきーさんが、来年地元で黄金井ライブをやりたいと言って、いろいろ本人に話を聞いていた。
こういう輪が広がるのもライブの楽しみのひとつだ。

どんな小さな町にも音楽を愛する人がいて、町に歌を響かせようとしている人がいる。
それに応えてくれるたくさんのミュージシャンに感謝だ。

うむ!今回もイイ夜だった!と、総理のように自画自賛したりして。
地元はもちろん、あちこちからやってきてくれた人たち。
どーもありがとね。


yukata祭りのあるあいだは雨降りばっかりで、終わったら晴れるとはなんとも皮肉なもんだこと。
もともと芦別の祭りは雨がつきもので、子供の頃から必ず一日は雨が降る。
とはいえ、やっとここ二、三日夏らしくなってきた。
で、こないだの浴衣姿を一枚ご披露。

この姿でお客さんを見送っていると、駅の方にいた女の子たちが振り返って、「なに!?あそこなんの店?」といぶかっていた。
お嬢さん!洋風の外見にごまかされちゃいけませんぜ。
どれだけスタイルが洋風でも、あっしら心の奥までどっぷりと日本人純血種なんでござんすよ。

話はガラガラっと変わるが、商売をはじめて三十年近く、ほぼ毎日のようにスーパーに買い出しにいっている。
芦別はご多分にもれず高齢化が進み、急ぐときに限ってゆったりとレジで支払いをしているおば(あ)さん、おじ(い)さんの後ろについたりすることになる。
いくら気持ちが急いても、怒鳴りつけるわけにもいかないので大人しくしているうちに、それもだんだんと慣れてきた。

ところがこのあいだ遭遇したおば(あ)さんの凄かったこと。
買い物人生三十有余年で一度も遭遇したことのない逸材だった。

くだんのおば(あ)さん、最初は後ろのレジにいたのだが、なにかトラブルらしく店員に付き添われて?こちらのレジに移ってきた。
順番から行くと自分の後ろになるのだが、見てみると茶碗蒸し2つだけだったので、敬老精神を発揮して「どうぞ」と譲ることにした。
が、それが間違いのはじまりだった。

まずこのおば(あ)さん、足が悪いらしい。
店員に金額を告げられると、その悪い足を引きずって、たっぷり時間をかけて後ろのレジに忘れてあったバッグを取りに行った。
しばらくしてようやくバッグから財布を取り出したのだが、このおば(あ)さん、目が非常に悪いらしい・・。
しかも無駄にポケットの多いバッグからやっと出した無駄にでかい財布には、これまたたくさんのポケットと現金以外のものがこれでもかというほど詰まっている。
代金は¥400。

なかなか手こずってやっと小銭を引っ張り出したが、それは百円以下の小銭ばかり。
とても¥400にはほど遠い。
見かねた店員さんが「私が出しましょうか?」と助け舟を出したが、このおば(あ)さん耳が非常に悪いらしい・・。
「ああ・・?」「あのだから私が・・」「ああ・・?」でまたまた財布内探索はストップ。

今日中に終わるかどうかも定かではなくなったので、後ろのレジに移ろうかと思い、見てみるとそこには空知管内で一番優雅にレジを打つ店員が・・・。
まさしく前門の虎後門の狼状態だ。

仕方なく後ろの見切り商品のワゴンを見るともなしに見ていたら、面白いものを発見。
それはこれ!
wasaそしてこれ・・shichi

知らないうちにこんなプリッツが発売されていたとは。

こりゃ虎と狼に感謝せねば。

で、顛末はというと見かねた別の店員さんが特別に閉まっていたレジを開けてくれた。
お泊りをなるかと思ったわ。

荷物をエコバッグに入れ、帰ろうとしてさっきのヘレン・ケラーを見たらまだ小銭と格闘していた。

南無・・・。

koumonこのあいだネットでニュースを見ていたら「水戸黄門が今期限りで打ち切り決定!」だという。
明治生まれのばあさんに育てられたおかげか、月曜日の夜は必ず「水戸黄門」か「大岡越前」を見せられた。
子供の頃の黄門様は東野英二郎

優しそうな爺さんだと思っていたら、大きくなっていろいろな映画を観てみると、なんとも偏屈でがんこな役ばかりで、あまりにイメージが違って驚いた。
「風車の弥七」が亡くなり、由美かおるが降板し、寂しくなったところへ今回の打ち切り・・。
43部も続いたスーパー長寿番組もついに幕が下ろされる。
黄門役の里見浩太朗も「後ろからバッサリ切られた思い・・」と無念そうだった。

ばあさんの好きだったプロレスも凋落し、キックボクシングも姿を消し、大相撲はあの体たらく、そこへ持ってきて、水戸黄門の打ち切り。
ばあさんも早いうちに冥土に旅立ってよかったかも・・・。

rouninそこへ入ってきたのが、原田芳雄の訃報・・・。
好きな俳優だっただけにびっくりした。
「浪人街」も好きだったし「竜馬暗殺」での石橋蓮司、松田優作とのからみもよかった。

しかしなんといってもテレビドラマ「痛快 河内山宗俊」での金子市之丞役が大好きだった。
宗俊役の勝新太郎はもちろん、火野正平、草笛光子、大滝秀治など一癖も二癖もある役者の揃い踏み。
中学生の頃見たっきりもう見られないと思っていたら、スカパーでやってくれた。

丹波哲郎、若山富三郎、桃井かおりなど毎回豪華なゲストも楽しみのひとつだった。
こりゃ追悼でもう一度見なおさなきゃ。

スカパーの「日本映画専門チャンネル」は、半年間にわたって「特集 原田芳雄」をやり始めたさなかの訃報だった。
本物の匂いを放つ役者がまた一人消えていってしまった。

なんだかだんだんこの世に未練がなくなっていくなぁ・・・。





アッという間に一週間が過ぎてしまった。
光陰矢のごとし、どころの話でないわ。

そういや昔ドリフターズ(日本のほう)の歌の文句にこんなのがあった。
♪汽車は早いし電車も早い ジェットはなお早い
うちのカカアの早えこったら 3日で家出した
キタカサッサ ホイサッサ ♪

肝心なことはすぐに忘れるくせに、なんでこんな歌おぼえてるもんだか?
このころからすでに日本はスピードや効率をがむしゃらに追い求めて、忙しくなっていったんだなぁ。
piano
でまぁ、有馬みどりさんのピアノ・リサイタルも無事終わり、世にも珍しいアップライトピアノによるリストの超絶技巧練習曲も心ゆくまで堪能することができた。
主催のSさんは芦別出身なので「なにか芦別に恩返しをしたい」といつも気にかけてくれていると言っていた。
なんともありがたいことだ。
その気持ちに答えるべく地元の人間はもっと知恵を出さないと、松本元大臣に恫喝されちゃうね。

で、リストの余韻に浸るまもなく、芦別は健夏祭りに突入。
yamaふと飛び込んできた博多の青年と意気投合し、ああだこうだと語り合っているところへやって来たのは、青年の先輩たち。
博多はモチロンのこと、とくに七百年以上の歴史を持つ博多祇園山笠では絶対的な縦社会らしい。
「先輩にはじぇったい逆らえましぇん」ってなことで、なぜか全員でカラオケにいくこと・・・。

曲はもちろん、甲斐バンド、CHAGE and ASKA、長渕剛と福岡出身のミュージシャンからの選曲。
知り合いがカウンターで飲んだいたのだが、九州勢に対抗してカラオケを歌うといってふらつく足でステージ歩いていった。
グラス片手にヨレヨレして歌っていたら案の定転倒
持っていたグラスで手をバックリと切り、血が止まらないので救急車まで出動するという怒涛の夜となった。
グラス片手に気取るからそういうことになるんじゃい!このどあほ。

まだまだ思い出すだけで頭がクラクラするような日々だったが、それはまた次回ということで。
なんだか書いているだけで酔っ払いそう・・・。
yama2


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