泥酔亭の成り行き日記

2011年08月

二三度、お湿りがあったせいか、ここ数日は陽が落ちると涼しくなってきた。
短い北海道の夏とはいえ、限度を超えて暑いと愚痴の一つもいいたくなる。
んで、ちょいとゾーッとする画像をいくつか紹介致します。

このあいだネットで見た強烈な画像たち。
「ほんまかいや?」といいたくなるのもあるが、世界は広い。
だからこそ楽しい。

まんずこれ。
usagi

着ぐるみだったらネットに載せないんだろうから、間違いなく本物なんだべね。
なにを食わせたんだか知らないけど、よくぞここまでオガった(方言ですんません)もんだ。
次はこれ
same
どんな漁船で釣り上げたのかは知らないけど、こりゃすげえ。

ってなことをいえば、これもすげえ。
ika
刺身?・・イカフライ?・・どーやって喰う?
はっきりいって不味そうなんですけど・・・。

さらにこんなのがこんなに上がってきたらどーする?
ika02
いかの盛り合わせ?
んでもって、この金魚・・・。
活き造りにすっか?
kingyo
世界は不思議で満ちている。

クラゲの世界もかように深い・・・。
kurage
ってなことで、クソ暑いこの夏、少しでもゾーッとしていただければ幸いでござんす。

ueki嘘つきは嫌いだが、←こういう映画を見て育ったせいか、ホラ吹きは嫌いではない。
しかも酒を呑んでのホラ話は罪がなくて大いに笑える。

ましてこちらは話を聞くのが商売といってもいい。
テンポのいい相槌を打つと、話は際限なくどんどん膨らんでいく。
これはこれでいい酒の肴になるものだ。

若い頃一緒に働いていた先輩は、少林寺拳法六段から話が始まり、ブラック・エンペラーの総長を経て、ニューヨークでデザイナーをしていた後F1のドライバーをやっていたが、わけあって今居酒屋で皿洗いをしているという人だった。
ずっと芦別に住んでいるのを知っている身としては、その壮大なホラ話は聞くたびお見事とか言いようがなかった。
はたして今はどこでどんな人生を歩んでいることやら・・。
さぞ年齢とともにホラ話にも磨きがかかっていることだろう。

以前店にフラっとやってきたパンチパーマのおじさんは「この町では暴れん坊将軍で通ってます」といって肩を揺らして入ってきた。
なんでも前科40犯で、ヤクザも避けて通る伝説の人らしい。
それにしてもその歳(推定50歳前後)で前科40犯・・・。
ずいぶんこまごまとした罪を重ねてきたもんだ。

dondon昨夜も友達が、「自称高校時代の後輩」を連れてやってきた。
が、考えてみれば、高校は一年の10月で早期卒業をしているので、後輩がいるはずはないのだが。
当人がそういうのだからそうなのだろう。

しかもその「自称後輩」、先輩使いの荒いのなんの
アノ曲をかけろ、この曲をかけろ。
しまいにゃギターを弾いて歌え!とまでおっしゃられる。

近頃ギターを弾いてなかったので、酒の勢いも手伝い、リクエストにお答えすることにした。
さいわい歳が近いせいか、知っている曲ばかりだったのでそれはそれで楽であった。

そのうち、その「自称後輩」がドロンとした目で「先輩!俺がなぜ井上陽水になれなかったかわかりますか?」と、聞いてくる。
質問の意図も質問自体もよくわからないので、ギターに夢中になってるふりをして「わかんないねぇ〜」というと、「Fが押さえられなかったからですよ」というではないか。

yousuiギターを弾く人ならわかるだろうけど、たしかにFコードを押さえられなくてギターを諦めた人もいる。
しかし、Fコードをおさえられるようになってから井上陽水までは、想像を超える距離があるはずだが・・・。

「へぇ〜、んじゃFさえ押さえられれば、陽水になれたんだ?」と聞くと、「自称後輩」は何をいまさら!といわんばかりに「そりゃそうですよ!」と、孫正義によく似た顔で高らかに言い放った。

そーか〜、今夜は「陽水のなりそこない」と一緒に飲ませていただいているのか・・・。
そういや以前、吉田拓郎の影の作曲者と言いはる自称先輩もいたっけ。

この町には隠れた大物がまだまだ潜んでいそうだ。

「Long Time A Go」という曲でタイマーズは「原子爆弾と同じようなものが おんなじこの国に次々とできている♪」と歌っている。
ある評論家が「原理は同じなんだから、原子力発電といわずに原子爆弾発電といえばいい」といっていた。

このたびミリだのマイクロだのちっちゃい単位は取っ払われて、10シーベルトという大変わかりやすい放射能汚染の場所が見つかった。
imagesこれじゃさすがの枝野も「ただちに健康に害はない」なんてのんきなこともいってられないにちがいない。

健康に害どころか、10シーベルトっていやぁこういうことらしい。
「放射線を短期間に全身被ばくした場合の致死線量は、50%致死線量 (LD50) が4シーベルト、100%致死線量が7シーベルトと言われている。
(3~10シーベルトで骨髄死を起こして白血病、10~100シーベルトで腸死を起こし 3日~4日で死亡、100シーベルト以上では中枢神経死を起こして数時間~1日以内に全身けいれんなどで死亡。」
しかも、線量計の上限が10シーベルトだったので、本当の数値はそれ以上かもしれないという夏場にピッタリなゾーッとするおまけまで付いている。

マスコミときたらあいかわらず、この恐ろしい出来事はサラっと流してくれ、さも大事なことから目をそらすかのように「エコ」だ「節電」だの大合唱。
そんなに節電しなきゃいけないってんなら、から騒ぎの27時間テレビなんざやめちまえっての!

馬鹿がうつりそうでふだん民放のバラエティ番組は見ないが、マダムがテレビをつけっぱなしにしていたところ急に画面から吉田拓郎の「夏休み」が流れた。
拓郎初期の代表曲でもあるこの歌、じつは原爆のことを歌ったのだという。

そういわれて歌詞を思い出したらたしかにそう聞こえないこともない。
♪ 麦わら帽子はもう消えた 田んぼのカエルももう消えた それでも待ってる夏休み
姉さん先生もういない きれいな先生もういない それでも待ってる夏休み

広島出身の拓郎だけに、原爆に対してはわれわれにはうかがい知れない思いがあったのだろう。

maguro高田渡の代表曲「生活の柄」の作者、沖縄出身の詩人「山之口貘」はこんな詩も作っている。

「雲の上」

たったひとつの地球なのに いろんな文明がひしめき合い
寄ってたかって 血染めにしては 
つまらぬ灰
などをふりまいているのだが
自然の意志に逆らってまでも 
自滅を企てるのが文明なのか

この頃はビキニ環礁における水爆実験で、放射性物質が世界中に撒き散らされ、問題になった時期である。
同じ頃こんな詩も残している。

「雲の下」

ストロンチウムだ ちょっと待ったと ぼくは顔などしかめて言うのだが
ストロンチウムがなんですかと 女房が睨み返して言うわけなのだ

時にはまたセシウムが光っているみたいで 
ちょっと待ったと 
顔をしかめないではいられないのだが
セシウムだってなんだって 
食わずにいられるもんですかと 女房が腹を立ててみせるのだ
かくて食欲は待ったなしなのか・・。

タイマーズ、高田渡、山之口貘が生きていたらこのクソふざけた世界を見渡して、どんな歌を作るんだべか。




何度か行ったことのある町でも小さい路地などに足を入れると、意外な発見があったりするものだ。
父親が大工だったせいか、面白い建物などにはすぐに目がいってしまう。
そういう意味では歴史のある本州のほうが、ご大層な建造物が多い。
しかし、根っからの一般庶民としては、そういう大仰な建物より、昭和の匂いのする普通の建物の方に親しみを覚える。

ieこのあいだ港町の朝の散歩で見かけたこの建物などは、見れば見るほど只者ではない。

写真ではよく見えないかもしれないが、入口の壁はうろこ状の小さな板を貼っている。

そして何よりも木造三階建て!
横に車が停まっているから、もしかすると今も人が住んでいるかも・・。

まさか「だれか住んでるんですか?」と朝っぱらから声をかけるわけにもいかないので、この謎は次回行ったときに明らかにすることにした。

ちなみに父親は「大工は自分の家に手をかけるものではない」という信条の持ち主で、自宅は荒れるにまかせて、最後は廃墟のような有様だった。
ある日ソファに座ってテレビを見ていたら、表を通ったおばさんたちの声が耳に入った。
「あらぁ、この家だって直せば人が住めるのにねぇ」・・・。

buddaんでは、以前の「ヨーグルッペ」に続いて、市場で見かけたおもしろ商品。

「新竹米粉(シンチクビーフン)」はけっこうですけど、なんでブッダ?
しかも値札にも「ブッダ・ビーフン」と書いてある。

さらに言わせてもらえば、中央に鎮座してらっしゃるのはどう見てもブッダというより「布袋さま」じゃないんだべか?

どこにあるのかわからない創業百年を誇る老舗「曽家」。
だれか百年の間に教えてやれよ。

ま、それでも1996年にはめでたく食品品評会で金賞を戴いたそうなので、よしとするか。

創業二百年目指して頑張ってください!

そしてお次はこれ・・・。
yoshimi以前深川で「俺の店」という自己主張の強いスナックを見かけたが、「よしみんち」には一本取られたわ。

まさか「よしこ(またはよしえ?)」が作ってるミンチの店ではないはずだ。
漢字で書けば「よしみん家」とでも書くのか・・。

電話で待ち合わせするときに「おぅ、んじゃよしみんちで待ってるわ」とかいうんだべかね?

なんにしても名は体を表すとか。
きっと居心地のいい店なんでしょ。
・・・寄らなかったけど。


自分たちだけかもしれないが、農家の人達より海の人たちとの方が話が合う気がする。
命をかけて荒波に漕ぎ出す漁師と、命がけで闇の中石炭を掘る炭鉱夫。
どちらも長い時間をかけて何かを育てる農家の人達とは生き方が違ってくるのかも。
しぜん金の使い方も変わってくる。
宵越しの銭は持たない!とまではいわないが、かなり豪快な使い方をする人が多い。
で、性格も大らかというか・・おおざっぱというか・・。

このあいだもある港町の食堂で注文を取りに来たおばちゃんに「歯が弱いので固いものはちょっと・・」というと、そのおばちゃん「入れ歯、貸しましょうか?」ときた。
ちょっと・・そういう間接キスは受け付けてませんから!
写真を撮ろうと思ったが、脱ぎだしたら困るのでやめた。

miya01たとえば滑走路問題でゆれていた沖縄、下地島で午前中酒盛りをしていたこの島んちゅのオジサマ達。
遠くにいたわれわれを手招きして「ま、いいから飲め」という。
折角のお誘いなので運転をしていないマダムはご相伴に預かることにした。

こちらは運転だというと、「じゃカメ」という。
方言で「食え」ということらしい。
せっかくなので食べることにしたら、サンマの唐揚げ。
北海道のだからうまいぞ」ですと・・・。

そしてその夜、宮古島でフラリと入った飲み屋のママ「しげちゃん」。
miya02歌うわ、踊るわ、泣くは笑うわの大騒ぎ。

まさしく「なんくるないさ」魂満開の「あちこーこー」な人だった。
「トイレは?」と聞くと、「向かいのコンビニさぁ」。
あんまり何回も行くと気まずいので、刺し身やおでんなどを買ってくると、「あい!ごちそうさまね」といって、表にテーブルを出して食べ始めた。

店の看板には「宮古そば」「おでん」「刺身」などメニューが書いてあったが、出てきたのはビールと雪印のベビーチーズだけだった・・・。

miya04そしてこのあいだ増毛で海を見ながら自転車に乗ろうとしていたら寄ってきたこの潮焼けおやじ
半分以上聞き取れない浜言葉を翻訳すると、「トバ、喰うか?」といっているらしい。

鮭のトバだべか?と思って、「なんのトバ?」と聞くと「ガンズだ」という・・・。
ガンズ・アンド・ローゼズ?

っなわけもないけど何度聞いてもわかんないので、空返事だけして自転車に乗ろうとしたら、「あとで持ってきといてやる」といったような気がした。

増毛の町をぐるっと回って、戻ってくると車のリア・ワイパーに正体不明の「ガンズ」が刺さっていた。
miya03

ひょっとしてあの爺様、増毛の笠地蔵だったのか?

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