泥酔亭の成り行き日記

2012年09月

佐渡山豊&長津宏文ライブも無事終了し、今月のイベントは明日9/29の「三遊亭小圓朝を聴く会」のみとなった。yuki
今回もスタッフの一人として、音響と記録全般を手伝わせていただくことになっている。

小円朝師匠の奥さん方の母親が芦別出身という縁で始まったこの会も明日で六回目を数える。
今回師匠とともにやってくるのは身長175cm、日本一長身の女性マジシャンの異名を取る「有紀天香(ゆうき・てんか)」さん。
芦別では初のお目見えとなる。
ひねくれ者のわりには、根が素直なもので、マジックのタネというものが皆目理解できない。
たぶん明日もきれいにトリックに惑わされることになるに違いない。
 
ただ気がかりことがいくつかある。
まず一つ目は天気が思わしくないこと。
野外のイベントではないのが救いだが、機材はなるべく濡らしたくない。

お次はいつもは昼から自由に使える会場だが、その日は夕方まで別のイベントでふさがっている。
いつも以上に時間的な余裕のないセッティングになりそうだ。
ま、これもバンドなどの大所帯ではないのでなんとかなりそうだ。

koen12そしてこれまた問題なのは、同じ時間帯にライオンズ主催の酎ハイパーティーがあるということ。
落語会のチケットの売れ行きはそこそこらしいのだが、つきあいで買ってくれた人もかなりいると思われる。
酎ハイパーティーの方も集客力のあるライオンズ主催のため、多くの人が足を運ぶことになりそうだ。
会場にあまり空席が目立つのはできるだけ避けたいものだ。

とかなんとか、前日にいろいろ考えてもしかたがないので、とりあえずは全力でやるべきことをやるしかない。
明日ふと古典落語とマジックを楽しみたいと思った人は、当日も¥1,500で鑑賞できます。
場所はいつも通りの「芦別市総合福祉センター2F 大ホール」。
開演はpm6:30〜
今回小円朝師匠は大ネタに挑戦するという話もあります。

ぜひご近所お誘い合わせの上、足をお運び下さいますよう、関係者一同心よりお願い申しあげます。

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たぶん今まで体験したことのない「長い夏」もようやく終わってくれたようだ。
夏好きとしては少し淋しい気もするが、体的にはかなり楽になりホッとしている。
それにしても急に冷え過ぎじゃない?まったく。

naga12とまぁそんな中、夏の国沖縄から反骨のフォークシンガー「佐渡山豊」さんがライブに来てくれた。
案内役は札幌のライブハウス「LOG」のマスターでもあり、自らも弾き語りもする「長津宏文」さん。
よく確かめずにオープニングだと思っていたら、ジョイント・ライブだと当日知らされた。
去年沖縄から鹿児島まで「佐渡山、長津の弾き語りの旅」をやったお返しに、今回は長津さんがコーディネイトしての北の旅だという。

トップバッターの長津さんは、朴訥としたしゃべりで笑いを取りながらおなじみの「昭和少年」や「十九の春」「イマジン」などを歌ってくれた。
フォーク好きのYさんはとても気に入ったらしく「これがフォークだ!」と感激していた。
打ち上げの時に、Yさんと長津さんはなんと同じ大学出身と判明した。
なんとも不思議な縁にふたりとも大喜びしていた。

かわって登場した佐渡山さんは、いつも以上にロックを感じさせてくれたステージだった。sado1201
今回の白眉はなんといっても、北海道の詩人「江原光太」の詩に曲をつけた「砂漠で出会った四人のゲリラ」だ。
恥ずかしながら同じ北海道にいながら江原光太さんの名は知らなかったが、つい先ごろ90歳で亡くなられたという。
亡くなったあと知るというのも間抜けだが、人は一番いい時期に一番いい出会い方をするものだ。
佐渡山さんの歌を通じて知ることになったのがよかったのかもしれない。

江原さんの肉声で録音されたCDからは、この歌の前に一つの詩が流された。
1974年に作られたという「<ゲジゲジ>ノ歌」
三十年以上前に作ったとは思われない鋭い詩だ。
リンクを貼っておくので是非多くの人に読んでみてもらいたい。

こういう素晴らしい出会いがあるからライブを続けていける。
長津さん、佐渡山さん、体に気をつけて北海道に力強い足跡をたくさん残していって下さい。

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このごろお客さんから「最近テレビをほとんど見なくなった」という声をよく聞く。tv
スポーツ番組やドキュメンタリーなどはたまに見るが、ドラマやバラエティなどは五分と見てられないという。
ニュースなども、見たこともないような専門家やコメンテイターが無責任に語り散らすのも見るに耐えないらしい。
かといって、テレビで流れる映画もせっかくその作品に入り込めたと思っていたら、すぐにCMで現実に引き戻される。
歌番組などは半分以上名前も顔も知らない連中のどんちゃん騒ぎ。
しかもまともに歌も歌えないくせに踊りまくるから、音程もへったくれもあったものではない。
そんなのが何百万枚も売れているというが、昔の流行歌と違って一部の人しか知らない流行歌ってアリか?

吉田拓郎の「ペニーレーンでバーボン」という歌に「テレビは一体だれのためのもの?観ているものはいつもつんぼさじき♬」という歌詞があるが、もう30年以上前に拓郎はテレビに対してそう感じていたってわけだ。
話はちょいとそれるが、「つんぼさじき」は歌詞的に大丈夫だったんだべか・・?

932ま、それはそれとしてわれわれの世代が中学生だった頃は、なんといってもラジオが全盛だった。
ポケットサイズから、なにが詰め込んであるやらわからんぐらいデカイ弁当箱みたいなラジオもあった。
またその頃は洋楽やマイナーな曲などはみんなラジオから教えてもらった。
グランド・ファンク・レイルロードの「ハート・ブレイカー」も偶然つけたラジオから流れてきたし、クリーデンス・クリアウォーター・リバイバルのスウィート・ヒッチハイカーも浅川マキの「灯ともし頃」もそうだ。
いまでもラジオから流れる知らない曲に興味をおぼえ、ネットで探してみることもある。

以前サンタラのライブの打ち上げで情熱的なダンスを踊ってくれた札幌の聖子さんは、ローカルFM「ラジオカロスサッポロ」のパーソナリティもやっている。
芦別では聴くことができないが、時々放送したものをCDにして送ってくれる。
それがまたとてもバラエティに富んでいて密かな楽しみになっている。

なんといっても選曲の多彩さが半端ではない。
聖子さんのブログにラインアップが載っているのでぜひ覗いてみて下さい。
そんな新しい曲を届けてくれる聖子さんに心から感謝です。
これを聴いていると音楽は無限だと感じさせられる。

テレビに飽きたらたまにラジオでも流しながらドライブでもしてみると、思いがけない曲のプレゼントが待ちかまえているかもよ。
たとえばあんなラブソングなんかが。
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cyu夏から秋にかけて十年ぶりとか二十年ぶりなんていうお客さんとの再会がたくさんあった。
「おたがい変わってないねぇ」とはいうものの、よくよく話を聞けばさすがに長い年月を感じる。(写真は25年ぐらい前のディラン)
そのほかにも「いつか来たかった」といって初めて来てくれた人。
「久しぶり」や「初めまして」の多い夏だった。
何はともあれ元気な姿で出会えたことがうれしい。

このあいだも先輩のKさんの同級生が長崎から遊びに来るというので、ディランでパーティーをやりたいという連絡が来た。
Kさんが学生だった頃は芦別も元気いっぱいだった頃で、同級生の数も半端ではない。
以前Kさんと同い年の人が「同期会やろうってんで、打ち合わせに声をかけたら50人以上集まった。結局こんなに集まったからこれでいいかってことになって終わった」といって笑っていた。

駅今回も芦別に在住の同級生が十数人が集まってにぎやかな夜になった。
その長崎の人は毎日ネットで「芦別物語」とこのブログをチェックしてくれているという。
FaceBookにかまけて、あんまり更新できずに申し訳ありません。
ぜひFB LOGの方も見て下さい。

いくら過疎化してもふるさとというものは格別なものに違いない。
成り行きで地元に暮らすことになったので、ふるさとを懐かしむことはないが、ここで出会った多くの人たちとの思い出は今もディランの大事な歴史として生きている。
原発事故が起きたとき、「もう住むことができないのなら、被災者は別なところに移住するしかないんでないべか?」なんて思ったが、ふるさとを強制的に奪われた人たちの心のうちを思えば、それは間違いだとすぐに気づいた。
「ふるさとに戻って死にたい」という被災者の声は痛いほど心に響く。

あっというまに学生時代に逆戻りして、笑い合うKさんたちを見ていて、いくら人が少なくなってもふるさとというものをなくしてはいけないと心から思った。

志をはたして いつの日にか帰らん
山は青き故郷 水は清き故郷 

(故郷(ふるさと)作詞 高野辰之 作曲 岡野貞一)

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さてさて・・・生きたロックのKing&Qeenにいつまでも見とれている訳にはいかない。har01
今回の旅の大きな目的、ディラン30周年記念ライブの出演をお願いするという大事な使命が残っている。
いちおうFaceBookでは伝えてあったので、思い切って切り出してみた。
すると鮎川さんは破顔一笑「30周年!すごい。おめでとう」といってくれて「直接メールでもなんでもよこして下さい」とありがたいお返事。
なんでも以前ライブをお願いした時の、ロケットダクション代表西山さんは闘病の末亡くなられたということだ。

思えばこちらも14年のあいだにいろいろな別れと出会いがあった。
MUSIC HARVEST '98に出演した中でも、西岡恭蔵さんと高田渡さんがこの世を去っている。
またその当時のスタッフもつきあいのある人、疎遠になった人、芦別から去った人などいろいろだ。
そしてみんな14年分歳もとった。

har0230周年ライブは、なにも過去を振り返るためだけにやるわけではない。
Rockに大切なのは「今をしっかり生きること」そして「前に進むこと」
日々の暮らしに流されると、ときにそのことを忘れてしまっていることがある。

ライブは魂に息を吹き込む命の祭りだ。

そのことを多くのライブから教えてもらったし、たくさんの出会いから多くの力をもらってきた。
そしてROCKに導かれてここまできた。
ROCKという羅針盤がなければとうの昔に難破していたはずだ。
どこまで出来るかはわからないが、実現に向けて全力をつくすしかない!
このライブをやることによって、また新しい出会いや別れが待っているはず。
目の前のふたりからあふれ出る熱いパワーを心に染み込ませて、難関をひとつずつクリアしていこう。

・・ってなことを思いながら、記念に写真を取らせてもらい、熱に浮かされたようにボーっとした頭のままホテルに戻った。
いちど近くの温泉で頭をスッキリさせて、今夜のライブに突撃だ!

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この至福の瞬間をもう一度

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