泥酔亭の成り行き日記

2013年12月

images南正人の「今夜はオーライ」の歌詞じゃないけど、♬あっちへ行ったりこっちへ来たり〜・・しているうちに今年もあと一週間を切った。
ま、大晦日が過ぎりゃ手付かずの一年がまるまんまあると思えば、新年も待ち遠しい気もする。
歳を追うごとに形式張ったことから離れていってるので、年の瀬といい新年といっても生活はふだんとほとんど変わらない。
しかもここ数年は年賀状を旧暦で出しているので、そっち方面も手がかからない。

harv13今年の目玉はなんといってもディランの30周年と、それを記念した野外ライブ「ミュージック・ハーベスト2013」の開催に尽きる。
じつに多くの人に手を貸してもらい、応援もしてもらった。
そして次の世代にバトンを渡すこともできた。
あとは撒いた種からどんな芽が出るのか?
その芽をどういうふうに守り育てていくのか?が、次の課題だ。

今年も秋を過ぎる頃から、喪中のはがきが何枚か届き、亡くなった人たちを思い浮かべた。
その中には自分より若い人もいるし、同い年もいる。
会者定離とはいえ、なんとも胸のあたりを風が吹き抜けるような気になる。

hassyふとした思いつきから、以前バンドを組んでいたときギターを弾いてくれた札幌のハッシー(写真は◯十年以上前のハッシー)を呼んでミニ・ライブをやることになった。
ハッシーは1/3から札幌で自分の店をオープンさせるので、やるなら"いま!"と思い立った。
おなじバンドでベースを弾いてくれていたFさんがとつぜん亡くなって、もう十年近くになる。
再結成するには、全員あっちに逝ってからじゃないと無理だ。
で、やりたいことはやれるうちにやっとかなきゃな。
お互い劣化も進んでるし(笑)。

ってことで、ハーベストの納会兼、次回の決起集会兼、ディランとカーショップ・ニシダの合同忘年会の余興で久々にはっしーと音遊びができた。
2人で一枚の大きな紙に線を引いたり色をつけたり、破いたり貼り付けたりしているような楽しいセッションになった。
そしてその場にいるみんなもたくさんの色を加えてくれた。
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このヴァイブレーションを胸に来年もまたでっかい絵を描こう!

1299283850'86にボブ・ディランが二度目の来日をした。
バックにはトム・ペティ&ハート・ブレイカーズ
初来日の時は行けなかったが、来日記念盤のLPは毎日のように聴いていた。
トム・ペティも好きなミュージシャンだったし、ディランには無断で店名を使わせてもらっている手前、色々とやりくりをして武道館に出かけていった。10
無愛想に次々と歌を歌い続けるディランにはとくに感動はしなかったが、目の前に生身の「あこがれ」がいるという現実には感動した。

芦別に帰ってきてカウンターから見える店内の壁一面にディランの絵を描くことにした。
そうすれば迷った時や気持ちがフラフラした時、いつもディランの姿を見てロック・モードに戻れると思った。
図案を決めてヒマな時間を見つけては(あり余るほどあったけど)、少しずつ仕上げていった。
描いている最中にお客さんが来て、「なんだこれ!ロールシャッハ・テストか?」なんていわれたこともあった。
壁一面の大きさなので近くで見ると何がなんだか分からない。
IMG_4676しかしこれは自分がカウンターの中から見るために描いているので、お客さんにわからなくても一向にかまわないのだ。
'99に新しい店舗に越してくるとき、大工さんが剥がして持ってきてくれて「ドアのオブジェ」、「人生成り行きののれん」とともに今でも店のシンボルになっている。IMG_4678

世間はボブ・ディランを理解しようとしたり、非難したり、攻撃したり、思いついたように賞賛したりして、ついたり離れたりを繰り返しているが、そのあいだディランは淡々と曲を録音してライブで歌い続けている。
たまにはわけのわからん映画に出たり、自伝を書いたりするが、他人の評価などどこ吹く風でいまも歌い続けている。
そんな姿にロックを感じたから店名にした。

意固地、頑固、偏屈、変人・・・いろんなことをいわれながらもディランは今でも歌っている。(賞賛もおなじ数だけあるが)
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もし店名を「ベイ・シティ・ローラーズ」なんかにしてたらどんな店になってたんだべか・・?
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30年もやってると、自分なりの店のお宝がドンドン増えてくる。IMG_4692
ミュージシャンからもらった手紙や資料、ピック、サイン、曲順表、膨大な写真や音源、映像etc...。
時々思いついては整理らしきことをするのだが、なにしろmichi1310ちょっとやそっとの量ではないので、いつも中途半端で終わってしまう。

このあいだのライブでミチロウさんが、思い切っていろんなモノを捨てたらスッキリしたといっていたが、いっそのことディランでも思いっきりよく捨ててしまおうかと時々思ってしまう。
このあいだ、以前バンドを組んでいた友だちがやってきてその当時の話になり、もしかしたらビデオがあるかもしれないと探してみた。
すると物置のダンボールからいくつかのビデオや音源が見つかった。
いま見返すと懐かしさより照れくささが先に立つが、これも自分にとっては貴重な歴史の1ページだ。

IMG_4693一番古いのは、1986年に当時の芦別レジャーランドでやった野外ライブ「リトル・プレゼント・コンサート・フォー・アフリカ」の映像。
今は横須賀にいるクレイジー・ジョーがウィー・アー・ザ・ワールドに触発されて主催したライブ。
スタッフは当時芦別に住んでいた同級生たち
いま考えるとズブのドシロウトが集まってよくこれだけのイベントを主催したものだと、そのあまりにデカイステージを見ながら感心してしまう。
たくさんのアマチュア・ミュージシャンに混じって若き日のMC.ATなども出演している・・・が、今観返すと大昔の安い裏ビデオのようなひどい映像だ。
とはいえ、貴重な映像には違いないのでデジタルにダビングし直すことにした。

ほかにも南正人や頭脳警察のトシさんと一緒にセッションしている映像なども見つかった。
そんなこんなもまとめてデジタル化しておくことにした。
まとまったら昔のバンド仲間にも配ってみようかとも思っている・・照れくさいけど。
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1947023珍しく昼前に起きたので、午前中のタイムセールなるものに行って来た。
芦別は高齢化が進んでいるので、スーパーなどは午前中のほうが客が多い。
案の定、そのスーパーもじいさん、ばあさんで混雑していた。
とにかくテンポも歩幅も違うので、あちこちでぶつかりそうになりながらやっとレジに並んだ。
見るともなしに2つ前のおばあさんの買い物に目がいった。

仏花と牛乳、柿が二個と和菓子が六個ほど。
あとは長ネギなどの野菜が少し。

「よっぽどあのお菓子が好きなんだべなぁ。仏壇にお供えしたあとに食べるんだべか。」とか思いながら並んでいたら、なにやらレジの人と話し込んでいる。
よくよく見てみると手に持った千円札が二枚。
会計がその二千円を超えているらしい。
困ったおばあさんは、まず柿を戻し、次に野菜をいくつか戻したがまだ二千円では足りないみたいで、名残惜しそうに和菓子を六つとも戻してしまった。

03来年の春になると、このおばあさんにも消費税増税がやってくる。
「食品には消費税をかけないでもらえないべか」という意見もあったが、「広く公平に」ってなことで、みんなにまんべんなく増税してくれる。
それだけじゃ足りないらしく、落ち着いた頃を見計らって10%にもしてくれる予定らしい。

そうなった日にゃ、あのばあさんは仏壇に上げる花もあきらめなきゃなんなくなるんだべか・・。
アベノミクスでどこの景気がよくなってんだかしらないけど、年寄りが好きなお菓子ぐらい好きなだけ食えるようにしてもらえないもんだべか。
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ま、金のために食い物をガマンしたことのないおぼっちゃまくんにゃわかってもらえないか・・。

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