泥酔亭の成り行き日記

2014年02月

夜はあいかわらず冷えるが、昼間はかなり暖かくなってきた。日本酒
この頃の冬将軍は局地戦がお得意らしく、このあいだも意表をついて本州で大暴れ。
北海道は道東がひどい目にあった。
とはいえ、いくらしつこい冬将軍サマも時節にゃかなわない。
明けない朝はないように、終わらない冬もない。
短い2月も、はや終盤に突入、あっという間に3月になり、待ちかねた春のご到来だ。

日本酒はがき02ここ数年、この時期になると毎年のように行っている行事がある。
それは「全国の地酒を楽しむ会」、別名「泥酔大会」とも「ダメ人間展示会」ともいう。
最初にやったのはたしか平成七年、2月は暇だし自分の誕生日を祝って盛大に新酒でも呑みまくるか!!という企画だった。
二年ぐらい続けたが、あまりの羽目の外れように驚いてしばらく休んでいたのだが、一部の熱狂的なファンからの要望に押されて数年前から再開した。平成17年地酒はがき
で、今年は「第八回」ということになる。

いつもテーマを決めてやっているこの企画、去年は「中国地方五県酒くらべ」、その前は「東北六県味くらべ」、その前は「四国の地酒味くらべ」とふだんお目にかかることのないような酒にもスポットを当てている。
一升瓶12本を並べ、好きな銘柄や珍しい銘柄を呑みまくるというシンプルな企画だ。
日本酒はがき2011「本当の酒飲みは肴なんぞはいらねぇもんだ」とはいうものの、空酒は体に悪いってんで、こころばかりの酒肴も付けている。
定番は芦別の老舗鮮魚店「板垣商店」の特製刺身の盛り合わせ
去年はこれまた老舗の「斉藤商店」の酒肴盛り合わせも付いた。

いろいろ悩んだ挙句、今年のテーマは「北陸三県飲みくらべ」に決めた。
石川、福井、富山と知る人ぞ知る名酒の多いところだ。
時期はいつもよりちょっと遅くなったが、3/8(土)にした。
今年は二代目が頑張っている老舗の寿司屋「清寿司」に肴を頼むことにした。

去年は12本の一升瓶が見事にカラになった。
どうも常連たちはペース配分がうまくなってきたようだ。

今年も限定三十名、あるだけ呑んで喰って酩酊特別価格一金四千円なり!!
早い者勝ちだ、もってけ泥棒!!
酒

hori01いくら足が速いからって、こんなに早くお前が俺たちの前からいなくなるなんて想像もしなかった。
十代の頃、埼玉から自転車で北海道一周の旅に来て、そのあと富良野に住み着いたって言ってたっけ。
初めて会った時はモトクロスでレースに出てるっていってたよな。
それからしばらく顔を見せなかったけど、ディランが移転した頃また顔を出し始めた。
あの長かった髪をすっかり剃り上げてスキンヘッドになってたのには驚いたわ。

hori02帯広に出張に行ってたとき知り合った沖縄の青年に誘われてマラソンをやるなんて言い出して、いきなり富良野からディランまで走ってきた時はびっくりしたぞ。
真っ青な顔して「死ぬかと思った」って。
そりゃあそうだろう、なんキロあると思ってんだ!っていったけど、それからしばらくしたら本当に余裕で富良野から走ってきたのには驚いたわ。
で、沖縄の青年との約束で那覇マラソン完走
初の北海道マラソンで走歴27年のケンちゃんを余裕のぶっちぎり。
あげくにはうちら夫婦まで美瑛マラソンで走らせる始末。
追いかける時と逃げる時しか走ったことないのに・・死ぬ目にあったわ。

どんな誘いにも「いいっすよ」といっていつも気持ちよく手伝ってくれた。hori03
ディランでのライブも常連で、目立たないように打ち上げの用意も手伝ってくれた。
もちろんハーベストでも縁の下の力持ちで、黙々と働いていた。
ずっといると思ってたから、なんのお返しもしなかったじゃないか!
「走っていてつらくないの?」ってマダムが聞いたら「辛いから走ってんじゃないッスか」っていってたってか。
お前のその辛さを誰かがわかってくれてたのか?

なにかから逃げるように走ってルのかと思ってたけど、いまやっとわかったわ。
逃げてたんじゃなくて、向かってくるものに飛びかかっていってたんだな。
見えないなにかに向かい続けていたおまえはまだそいつに向かって走りつづけてるのか?
引き返してもう一度こっちに帰って来い!
みんな待ってるぞ。
俺はまだ何もお前にお返ししてないべ!

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102400=sなにがきっかけだか忘れたけど、近頃井上ひさしにハマっている。
なぜか今までほとんど読む機会がなくて、死んだ時も「ああ、吉里吉里人とかモッキンポットのなんとかって書いてた人だっけか」ぐらいにしか思わなかった。
あの「ひょっこりひょうたん島」の脚本を書いていたというのも、そんなニュースで知ったぐらいだった。

なにしろ学生時代は、猛烈なマンガ少年だったので、普通の人達が読んでいたような文学なんぞには、ついぞ手が伸びなかった。
おかげでマンガにゃ無駄に詳しいが、文学の方はさっぱりダメという大人が一匹出来上がった。225x225-75
その反動か、いい歳になってからは活字中毒のように色んな本を読みだした。
フィクションも好きだが、一番好きなのはノンフィクション・・っていうか人物伝
「本当にこんな人間がいたってか?」というスケールのでかい人間の話を読んでいるといつも胸が熱くなってくる。

おそらく井上ひさしを読むようになったのも、追悼番組でいろいろとエピソードを聞いたのがきっかけなのだと思う。
538263b7dec33fcdc64682f5af13d44dそしてアノ有名なひとこと「むずかしいことをやさしく,やさしいことをふかく、深いことをゆかいに、ゆかいなことをことをまじめに」を聞いたのが、興味をもったきっかけのような気がする。
やさしいことを、ことさらに難しく言い立てるのがさも賢いかのように中味のない言葉を並べ立てる連中の多い中、この井上ひさしのひとことはグサっと刺さった。

昨日読み終えた絶筆「黄金の騎士団」もテーマとしてはかなり難しいものだが、リズムもよくユーモアも利いていながら、深いところはコレでもかというほど掘り下げられている。
中身のことを書こうと思っているうちに、つい長々と書いてしまった・・・。
とにかく時間があればぜひ多くの人に読んでもらいたい一冊だ。
霊界通信でもいいからだれか続き書いてくんないかなぁ。

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