泥酔亭の成り行き日記

2016年02月

ks2010この時期はいつものように、確定申告に追われて、あたふたしている。
本音を言えば、こんな過疎地のケチなスナックなんぞ、放っておいてくれればいいとも思うが、お上にゃ逆らえない。
もう十年以上前から、申告ソフトを使って計算しているので、以前のように電卓を叩いて何度も検算しなおして・・・などという手間はないのが救いだ。
入力さえ間違えなければ、勝手に仕分けしてくれ、便利なことこの上ない。
毎年期日までに仕上げて提出したあと、同じことを思うのが、一年分まとめてやらないで、毎月やっておけばこんなに苦労しなくてもいいということだ。
とかいいながら、終わったあとはしばらく帳簿なんぞは見たくもないので、気がつけば申告時期に毎度あたふたとするハメになる。

_SX385_ここ数年は少し早めに始めようってんで、わりと時間にも余裕ができるようになったが、なにしろ伝票でいえば千枚以上の入力
やはりそれなりの時間がかかる。
入力しながらいつも思うのが、毎年だいたい同じようなことを繰り返しているということだ。
同じ仕事を続けているんだから当然といえば当然だが、結局数字も似たようなものが出来上がる。
今年も打ち込みながら、「なんだか毎年同じようなことやってんなぁ」と思っていた。

今回は割と早く始めたので、作業もスムーズに進んで、昨日は帳簿もラスト12月の終わりまで入力していた。
ここまでくればもうゴールは目の前
ちょっと一休みをしようと、コーヒーに口をつけて、いつものように入力画面を見ながら「毎年似たようなこと・・」と思ったとき、ふとおかしなことに気がついた
去年やったはずのないライブが、やったことになっているではないか。m409_450
不思議に思い、さかのぼってみてみると、旅行に行った時期も微妙に違ったりする。
一瞬わけがわからなくなったが、ふとあることが頭に浮かんだ。
あまりにも恐ろしい結論だが、これしか考えられない。
帳面を間違えて、せっせとおととしの帳簿を打ち込んでいたのだ・・・しかも一年分
そりゃあ似たようなことが起きてるはずだ。
去年打ち込んだのと同じのを打ち込んでいたのだから。

しばらくはあしたのジョーのように真っ白になってしまったが、期日も迫っているので、いつまでも途方に暮れている場合ではない。
マニュアルを見ると、一斉削除はできないらしい。
千枚以上の伝票を、一枚一枚削除しながら、自分の間抜けさかげんにあきれ果てた。

さ、気を取り直して一からやりなおし・・・できるのか?
ほんとはブログなんぞを書いているヒマはないはずなんだが・・・。
俺のバカ!
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P1030130早いもので、「全国の地酒を楽しむ会」も今年で十回目を迎えた。
毎年やりはじめたのはここ五、六年ぐらいだから、足掛け十五年ぐらいにわたって日本全国の地酒を飲んできたことになる。
一度に十二種類の地酒を口にする機会というのもめったにないせいか、毎回多くのお客さんが参加してくれる。
十回ってことは、いままでに120種類の日本酒の味くらべをしたことになる。
それでもまだまだ飲んだことのない酒や、飲んでみたい酒がたくさんある。
日本酒の世界もなかなかに奥が深いもんだ。

P1070306初めて企画したのは、自分の誕生日の2月に、なにかイベントをやろうかと思ったのがきっかけだった。
俗に「ニッパチ」なんぞといって、2月と8月は飲み屋のヒマな時期。
いまさら誕生日祝いでもあるまいってんで、じゃあ逆にお客さんに喜んでもらえるイベントをやろうってことになった。
そこでテーマを決めて、日本酒十二種類を飲みくらべすっぺ!ということにあいなった。
最初はたしか、しぼりたての新酒を飲み比べるってやつだった。
酒も火入れをする前の生酒だとまた風味が違うし、無濾過だったり、おりがらみや微発泡のものもあり、ふだん飲みなれた銘柄でも、まったく別の味わいがある。P1090446

今回は近畿地方二府四県「大阪府」「京都府」「奈良県」「和歌山県」「滋賀県」「兵庫県」からセレクトした。
大阪からは府民に人気の「呉春 本醸造」と「秋鹿 純米 能勢福」。
京都は人気銘柄「まつもと 純米 守破離」と「徳次郎 特別純米」。
奈良県は「梅の宿 純米吟醸 辛(しん)」と「みむろ杉 特別純米 露葉風(つゆはかぜ)」。
和歌山県は「雑賀 純米吟醸 しぼりたて生」と「紀土-KID- 純米」。
P1090451滋賀県は「喜楽長 純米吟醸 三方良し」と「波の音 純米吟醸 湖」。
兵庫県は「小鼓 純米吟醸」と「仙介 特別純米」というラインアップ。
肝心の酒の肴は、いつもどおり「板垣商店」さんと「清鮨」さんにお願いした。

一人でしんみり飲むのもいいかもしれないが、たまには大勢でわいわい言いながら飲むのも楽しいものだ。
和醸良酒(わじょうりょうしゅ)という言葉には二種類の意味がある。
ひとつは「和は良酒を醸す」いい酒を作るのにはたくさんの人の「和」が必要だということ。
もうひとつは「良酒は和を醸す」良い酒は人間関係をまるくし、和が生まれるという意味だ。
お客さんたちの飛び切りの笑顔を見ていたら、この言葉が浮かんできた。
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昨日、一昨日と、まるでもう冬も終わったのかと思わせるようないい陽気だった。large
おまけに昨日なんざ雨まで降りだしたもんだから、雪は溶けて地面はグズグズになるわ、あちこち滑るわで大変だった。
・・が、なんといっても寒いよりは暖かい方がいい。
長い冬もそろそろ退散か・・なんてニヤついていたら、さっそく今日は大寒波の到来
さすが今年の冬も一筋縄ではいかないわ。
昨日雨が降ったあとにシバレたもんだから、道路のすべることすべること。
あぶなく前の車に追突するところだった。

七十二侯でいえば昨日からは「魚上氷(うお こおりを いずる)」。
どじょっ子やふなっ子も「春がきたか」と思って出てきたところに、この寒波。
まとめてルイベになったべなぁ。南無南無・・。

e69344deさて、そんな寒波なんざ吹っ飛ばせってんで、今週末「全国の地酒を楽しむ会」を開催する。
今回は近畿地方二府四県12種類の地酒をどーんっと飲みくらべときたもんだ。
近畿地方といえば、古来三大酒どころといわれる「灘」「伏見」「池田」のあるところ。
ほかにも兵庫県、滋賀県、奈良県と隠れた名酒も多い土地柄だ。
兵庫の「小鼓」、奈良の「梅の宿」、大阪の「呉春」「秋鹿」などふだん馴染みの酒のほか、今回はじめて飲む「徳次郎」「三室杉」「波の音」なんてのもある。

酒の肴は、前回同様、老舗鮮魚店「板垣商店」の刺身盛り合わせと「清鮨」の酒肴盛り合わせ。
やれ異常気象だ、放射冷却現象だ、マッデン・ジュリアン振動だのいってるうちに、春は確実にそこまできている。
ここはひとつ旨い酒でも呑んで、一足先に春を味わおうじゃないか!
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年賀16-2何年か前からディランでは年賀状を、旧暦の元旦に届くように出している。
それが思い起こば、年末のごった返しでヒイヒイ言ってる時に、ふと「そういやぁ旧暦ってもんがあったか!」と思いついて、取ってつけたような屁理屈を文面に書き足して年が明けてからゆったりと出した。
それが思いのほか楽だったので、それからずっと旧暦に出している。
三が日のあたり、みんなと同じに届くより、正月気分もすっかり抜けた頃に届くってのも目立っていい。
今年の旧暦元旦は2月8日
一年に二度正月気分を味わうのもなんだかお得な感じだ。

で、旧暦の大晦日にあたる2月7日が、黄金井脩のライブだった。
その話をすれば黄金井のことだから、MCに盛り込み、とっちらかって収まりがつかなくなりそうなのでやめた。
北朝鮮が人工衛星までぶちあげて、行く年来る年を祝ってくれているおめでたい中、黄金井脩のライブは始まった。
P1090442あいかわらず女性のファンが多く、店内もいつもより華やいだ雰囲気だ。
初めて黄金井のライブに参加するお客さんもいて、ライブはかなりいい感じに盛り上がった。

新しいアルバムも完成し、春先にはDVDも作られるかもしれないとのこと。
今回も森進一の「北の蛍」や野坂昭如追悼で「黒の舟唄」などを独自のアレンジで聴かせてくれた。
第二部では休憩中にお客さんからリクエストをもらい、カンツォーネやラテン、ボサノヴァなど幅広い曲も聴くことができた。
念願の「さくらの花よ泣きなさい」もやってくれたが、去年とはまた違った味わいがあって心にしみた。
P1050605今回は固定のカメラで動画も撮ってみたので、何度も聴きなおせる。

ってな感じで、打ち上げでは多くの女性ファンに囲まれて、相好を崩しっぱなしの大盛り上がり。
こうしてにぎやかに旧暦の大晦日は過ぎていった。
そして昨日は祭りのあとを惜しむように後片付けをして、ライブを振り返りながらの旧暦の元旦
一日おいて2月10日は、黄金井とも親しかったマラソンマン堀口泰男の三回忌
月日のたつのはまったく早いものだ。
明日は黄金井のCDでもかけながら在りし日の堀口を偲ぶとすっか。
「えーーっ、ちょっとかんべんしてくださいよ」という堀口の声が聞こえてきそうだ。


 

12524320_969535533123703_7258635052965228684_nやれ腰が痛いの、アレルギーで鼻水が止まらないだの、ウダウダしているうちに、1月も終わり2月に突入。
昨日は節分、今日は立春、七十二侯は「東風解凍(はるかぜこおりをとく)」ってなことで、春の足音も確実に近づいてきている。
今年もライブ初めは、ジプシー・ギター「黄金井脩」。
たしか去年の打ち上げで、もうアジアン・ジプシーというキャッチコピーはやめるといっていた。
理由も聞いたはずだが、酒を飲みながらだったので、忘れてしまった。
たしか、ひとつのイメージに縛られたくない・・・ってな理由だったような。
今でも十分にノンジャンルだが、まだまだいろんなスタイルを追求したいようだ。

ディランも今年で34年目に突入。
ライブをやり始めたのがたしか1990年ごろだったから、30年近くもやってきたことになる。
1555365_601570696586857_702106065_n毎年のように来てくれるミュージシャンもいるし、一度っきりだった人もいる。
亡くなってしまった人も多い。
ミュージシャンのライブが縁で多くの人とも知り合えた。
いつも一期一会と思い、ひとつひとつの出会いを大切にしていきたいものだ。

炭鉱閉山後、どんどん衰退していくばかりの芦別で、曲がりなりにもライブハウスのようなものを続けてこられたのは、そんな音楽を愛する人たちが支えてくれたからだ。
ふつうのカラオケスナックをやっていたら、三年ともたないでやめていただろう。
自分の店で好きなミュージシャンのライブを聴く喜びがあったから、今まで続いてきた気がする。
どこまで続けられるのかは分からないが、イケるところまでイッてみよう!
ライブはいつも細胞を活性化させてくれる最高のビタミンだ。
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Born To Run !!



 

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