泥酔亭の成り行き日記

2016年08月

P_20160517_103555ゆるやかに続く階段の先にあったのは、あまりにも巨大な駐輪場だった。
高松の近代的な駅前の地下に、よもやこんな大きな地下駐輪場があるとは想像もできなかった。
勝手がわからないまま、奥の方へ進んでいくと、係のおじさんがいたので自転車を借りたいというと、奥の方に受付があるという。
受付のご婦人のいうことには、24時間¥200で借りられるという。
一瞬耳を疑うような料金に驚いたが、それほど乗らないのなら6時間¥100というのもあるという。
リーズナブルにもほどがある料金設定に驚きながら、所定の手続きを済ませ、パネルに書いてある注意書きを読む。
P_20160517_103823なんでも市内には7カ所のサイクル・ポートがあり、どこへ返却してもいいという便利な仕組みになっている。
カードを発行してもらい、駐輪場で床に「レンタル」とペイントしてある場所にある自転車の中からお気に入りの一台をチョイスする。
かかりの親切なおじさんにアドバイスしてもらい、程度のいい自転車を選んでいざ出発。
階段の横には、自転車用のコンベアがあるので、それに乗せて地上へ出る。

それから先の楽なこと楽なこと。
足の痛みも自転車に乗っているあいだはまったくなんともない。
高松の繁華街も、このシステムのせいか自転車に乗ってる人が多く、馴れているせいかみなさんマナーがよろしい。
市内のそこかしこに駐輪スペースが設けられているので、気ままに乗り降りもできる。
このご時世、なんともすばらしい取り組みだ。
ジョン・レノンも♪ Sharing all the world ♬ってイマジンで歌ってるしね。
地球の上には自分の所有物なんてただのひとつもないのに、それを奪い合っているから争いが絶えない。
借り物である地球をもっとShareしなくっちゃね。

ってなことで、ついでってわけじゃないけど、高松城にもお邪魔することにした。
とくに城が好きってわけじゃないけど、旅先で城を見かけるとつい寄ってしまう。
城のない町に育ったからだべか?
で、なんとなく城見物をすませ、お次はマダムおまちかねの、高松のうなぎに突撃だ。
地図で見ると、川の縁にうなぎ屋がかたまっている。
もしかしたら、昔はこの川でとれたうなぎを出していのかも・・・。
かなり町から離れているらしいが、この自転車さえあれば鬼に金棒、ジミヘンにストラトだ。
さあ、うなぎに向かってレッツ・ゴー!

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IMG_0990激しかった雨も風も、明るくなる前にはすっかりおさまっていた。
ゲルの前には真っ青な海が広がっている。
フェリーターミナルには草間彌生の赤かぼちゃ、こちらの浜には、黄色かぼちゃが置かれている。
ゲルから歩いてすぐのところなので、マダムを起こして恒例の朝散歩としゃれ込むことにした。
寝ているときはなんともないが、足を地面につけるとやっぱり痛む
びっこを引きながらも、朝の潮風の中を歩くのは爽快この上ない。
会期中ではないものの、芸術祭のせいか、ほかのコテージには異人さんたちがいっぱい宿泊している。
P_20160517_063502散歩の途中で出会うと挨拶を交わすのだが、「モーニン」ってのもいれば「ボンジョルノ~」「メルシー」なんてのもいる。
芸術に国境はないね。

朝日の中の黄色かぼちゃに挨拶をして、今日の計画をたてることにした。
この島にある様々なアート作品を見てから、高松に行くか・・それとも早めに高松に渡り、見物をすませて夕方小豆島に渡るか・・・ここが思案のしどころだ。
ここ直島には安藤忠雄の地中美術館や、ベネッセハウスミュージアムなど行ってみたいところが山ほどある。
が、なにしろこの足の痛みでは、それらを廻ることはかなりきびしい。
ってなことで、お初の高松へ早めに行こうということにあいなった。
ネットで調べたところ、うどんのほかにマダムの大好物のうなぎも美味しいという。
そんじゃまぁ善は急げってことで、フェリーターミナル行きのバスに飛び乗った。
昨日行くことのできなかった「アイLOVE湯」の前で写真を撮り、人懐こい猫と交流を深め、赤かぼちゃの中に入ったりして、後ろ髪をひかれつつも直島を後にした。P_20160517_085049
できればもう一度ゆっくりきてみたい島だわ。

フェリーに揺られること約一時間ほどで高松へ到着。
初めての高松は想像していた以上に大きな町で、巨大なビルが立ち並んでいる。
コインロッカーに荷物を預け、足を引きずりながら、徒歩はきついので、バスにしようかどうしようかと駅前をうろついていたら、「レンタサイクル」文字が目に飛び込んできた。
こりゃあ、痛む足を引きずるよりよっぽどいいやってんで行ってみると、長ーいスロープのような階段が地下に続いている。
どうみてもレンタル自転車の受付には見えない。
やっぱりやめようかと迷っていると、その地下のスロープから自転車を押しながら上がってくる人達がいる。

なにやら未知のシステムが待ち受けているようだ。
なんにしても迷ったらGO!の精神で、恐る恐る地下へのゆるい階段を降りていった。
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P_20160516_152606昨日もお客さんに「まだ続き書かないの?」なんていわれて、以前の日付を見たら7/20・・・
一ヶ月近くも放っておいたことになる。
記憶が薄れないうちに(もうかなり薄れてるけど)どんどん書き進めなくっちゃ、本当に年をこすことになりそうだ。
ってんで、そぼ降る雨の中買い出しをすまし、ターミナル行きのバスを待っていた。
今夜のお宿のあるところは、ターミナルの反対側の集落にあるらしい。
ターミナルで「つつじ荘行き」のバスに乗り換え、やれやれと思ったら、マダムが「あっ!」と声を上げた。
P_20160516_152630何事かと聞いてみたら、雨宿りに入っていた電話ボックスに、ドリンクの入った袋を忘れてきたというのだ。
バスはもうすぐ目的地に到着しようとしている。
ま、今さら騒いでも仕方がない。
旅にアクシデントは付き物ってことで、潔くあきらめることにした。
食品の方は自分が持っていたのが、不幸中の幸いだ。

宿泊先のつつじ荘には、パオのほかにトレーラーハウスや和室のコテージもある。P_20160517_062318
どんどん強くなる雨の中、管理棟で手続きを済まし、いざ初のパオに宿泊。
その前に明日の小豆島行きのフェリーの時間を確かめようと、係のお姉さんに尋ねたら、なんとこの時期直島から小豆島へ直接渡るフェリーはないことが判明した。
銭湯といい、忘れ物といい、今日はとことんアクシデントに見舞われる一日らしい。
で、どうすりゃいいか尋ねると、一度岡山に戻るか、高松に渡ってから行くかしかないという。
P_20160516_174125予定にはなかったが、まだ香川県には足を踏み入れたこともないし、いい機会なので高松経由で行くことにした。

さて、お初のパオのお泊りはどうであったかというと、意外なほど快適であった。
テントにパタパタと当たる雨の音も、海から吹いてくる風の音も、なかなかに風情のあるものだ。
管理棟の近くに、有料の貸切風呂があるというので、そこでゆっくりと旅の疲れを癒して、自販機で買ったビールで乾杯。
気分はすっかりモンゴル人だ。
トイレが外にあるので、あまり飲み過ぎると傘をさしながら雨の中をいかなきゃいけない。
で、今夜はほどほどのところでやめて、雨の音をBGMに早めに寝ることにした。

さ、予報によると明日は快晴。
初めての高松はいかなるところであろうか?
とりあえずまずはうどんでも喰うか。
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