泥酔亭の成り行き日記

2016年11月

201-206-04いよいよ怪しくなってくる空模様の下、電車は青島駅へ向かってひた走る。
「ホテルの中庭で・・」というメールだったが、考えてみるとそのホテルさえどこかわからない
しかもメールも電話もあいかわらずつながらないときた。
会場の近くに、いかにも!という感じのどでかいホテルがあったが、おそらくそれであろうと今は思うしかない。
とにかく、最終電車の時間を確かめながら、あまり深く考えないことにした。

0845000100128さて、電車は無事青島駅に着き、暗い夜道を目星をつけたホテルに向かって歩き出した。
遠くから見ても、豪華だったが、入り口を見るとさらに豪華な佇まいだ。
耳を澄ましてみたが、賑わっている声も聞こえてこない。
とにかく中に入ってだれかに尋ねればいいやってんで、警備の人らしきおじさんがいたので、「中庭で焼き肉をやってると聞いてきたんですが・・・」と聞くと、怪訝な顔つきで「焼き肉・・・?」と、知らないご様子
やはりこのホテルじゃなかったか・・と思ったが、「あのドアの向こうの庭園の奥に、焼肉ガーデンがあるから、そこでやってるのかなぁ?」というので、ダメ元で行ってみることにした。
その庭園ときたら広いのなんの、しかも噴水で周りの音もよく聴き取れない。
迷いながら明かりの付いている方へ、向かって行くと、大勢の集団が焼き肉らしきことをやっている。

喜んで、人混みの中へ入っていったが、ごった返しで肝心な三宅さんもケーヤンも見当たらない
おまけにポツポツと降りだした雨もだんだん強くなってきた。
スタッフの人が「中に入ってください!写真を撮りますよ」ってんで、人の波にもまれてどさくさまぎれに中に入った。
するとそこで三宅さんを発見!
地獄で仏・・・いや極楽で仏たぁこのことだ。
「ステージから忠さん、見えましたよ。来てくれてありがとうございます」と、暖かく迎えてくれた。
ケーヤンもいたので、あいさつすると、知らなかったようでびっくりしていた。

P_20160911_215346そこでケーヤンが「だれかに紹介します」といって、大竹しのぶさんや山崎まさよしさんを連れてきてくれて、一緒に記念撮影。
すると「集合写真を撮ります」というので、脇にどけていようとしたら、またまたケーヤンに「ぜひ一緒に写ってくださいよ」といわれ、スタッフでもないのに厚かましくも、列に並んだ。
しかも前列のあたりのかなりいいポイントにしっかりと収まってしまった。

こうしてドタバタと始まった一日は、最後までドタバタと過ぎていった。
ひとまず山崎まさよしさんや浅野忠信さんにディランの名刺を渡し、「今度ぜひ!」と声だけはかけさせていただいた。
さていよいよ強くなる雨の中をまたまた宮崎まで戻らなきゃ・・・。

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nakamura約1時間ほどゆられてバスは宮崎駅前に到着した。
道中、熊本から来たという三宅伸治ファンのご婦人と、親しくいろいろな話をさせていただいた。
もともとはジェイ・ウォークのファンだったが、ボーカルの中村耕一の復帰ライブで共演した三宅さんの優しい人柄に惚れ込んだという。
体調がすぐれず、今年は無理かと思ったが、やはり来てよかったと喜んでいた。
「ライブはパワーもらえるのよね」と嬉しそうだった。
いつか「ライブ健康法」なんて本でも書いてみるべか。

ま、今はとにかくホテルに戻って、ひとっ風呂浴びて、近くの居酒屋で一杯やって大の字になって眠りたいものだ。
ホテルの向かいにある温泉は、同じ系列らしく、宿泊者は無料で85061001000000090利用できる。
この際、部屋の風呂でもいいかと思ったが、ゆったりと足を伸ばせる方を選んだ。
温泉ですっかりあたたまって、さ、一杯いくか!と思ったら、マダムが携帯を見てなにやら驚いている。
どしたんだべか?と聞いてみたら、「ホテルの中庭で打ち上げの焼き肉をやっているんでよかったら来ませんか?」と三宅さんからメールが入っていたという。
今気がついたが、どうもわれわれが駅についた頃に来ていたメールらしい。
ホテルまで2km歩いて温泉でくつろいで、メールが来てからゆうに一時間は過ぎている。IMG_6981
JRで戻っても、30分以上かかる。
はたしてそれまで打ち上げが続いているものか?

三宅さんやケーヤンに電話をしても、どちらも宴会の真っ最中か応答がない。
そのときケーヤンの歌の文句が心に浮かんだ♬ 迷ったら "やる!!" ♪
ってなことで、とるものもとりあえず、また2kmの道のりを歩き、JRに飛び乗った。
まだ打ち上げが続いていることを祈りながら・・・。
予報によると、夕方降るはずだったが今ごろになって降ってくるらしい。
果たして間に合うのか?伊藤夫妻!

ところでわれわれは今日一日で、何キロ歩いたんだ?
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hqdefault高千穂出身のデュオamourを見逃したのは痛かったが、ステージには次の女性二人組「ヨモギ」が登場。
なかなか勢いがあり、スローな曲もしっかりと聴かせくれる。
とくにビートルズの「ヘルプ」の日本語カヴァーが素晴らしかった。
お次はドブロギター2本によるアコースティック・デュオ、その名も「どぶろく」。
酒豪で知られる山崎まさよしと三宅伸治のふたりの息はぴったりで、憂歌団の「おそうじオバチャン」などを聴かせてくれた。
間寛平の息子である間慎太郎も加わって楽しいライブになった。

そのあともケーヤンのギターが心地よいMAGICAL PHOENIX SESSION BANDも盛り上がり、会場もいい感じで熱くなってきた。
f56f8d0a536538そこへ登場したのが、今回のライブの台風の目、浅野忠信率いるSODA
前評判がえらくよかったので、期待はしていたが、ここまですごいとは思わなかった。
観客はもちろん、出演者も「今回は全部SODA に持っていかれた」と感じたという。
それほどパワフルで、生きのいい演奏だった。
ボーカルの浅野忠信は、映画などで見せる寡黙な顔と打って変わって、思いっきり弾けるぶっ飛びなキャラで会場を沸かせに沸かせた。
なにしろ始まりのひとことが「オレたちのバンドは撮影OKだから!カメラでも動画でもバンバン写して、SNSでもなんでもガンガン流して!」ってんだから驚いた。
お客さんたちの喜ぶこと。
「細かいことはいいんだよ、楽しけりゃ」のMC通り、演奏している本人たちが一番楽しそうだった。
代表曲?「ゲット・パワー」を6回もやってたのには、笑ってしまった。
とにかく理屈抜きで楽しいバンドだった。
いつか北海道でも、ライブをやってもらいたいものだ。

そしてベースの中村きんたろう、ドラムスの江川ゲンタを従え登場した山崎まさよしは、さすがのプロフェッショナルなステージ。
FB_IMG_1473729822871SODAの演奏が火をつけたのか、とくに江川ゲンタのドラムの素晴らしさが光った。
そのあとも「暴動」こと宮藤官九郎が三宅さんと清志郎の曲をやってくれたり、大竹しのぶが山崎まさよしと「黄昏のビギン」や「満月の夕」をやってくれたりと、次から次へとごきげんなライブが続いた。
そのあとは三宅伸治が登場して、石塚英彦のボーカルで「ドカドカうるさいR&Rバンド」や「JUMP」など清志郎に捧げるナンバーを出演者全員で熱演。
最後の最後まで大いに楽しく、大いに泣かせてくれた素晴らしいライブだった。
心配していた雨も、晴れ男ケーヤンのおかげかひと粒も降らなかった。

余韻を引きずりながら、すっかり暗くなった道をみんなと歩き、ほてりを冷ましながらバスに乗り込んだ。
これだけのライブが、イベンターなどに頼らずに5年も続けてこられたとは・・・。
あらためてスタッフの皆さんにお礼をいいたい気分だ。
そして三宅さんの意気に感じて、出演してくれて、とびきりの演奏を聴かせてくれたミュージシャンにも!


やっぱりライブっていいな。ねぇ豆助・・・?
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出だしから7km以上も歩き、始まる前からヨレヨレの状態でようやく駅についた。
が、予定していた電車はとっくのとうに出発してしまっていたので、しかたなく宮崎交通の青島行きバスに乗り込む。
JRで行くより、時間がかかるがそんなことはいってられない。
青島神社を参拝して・・どころか、ライブのオープニングにも間に合いそうもない。
子供の頃から忘れ物だけは人に負けたことがなかったが、この歳になっても治らないとは思わなかった。
宮崎のどこかのんびりとした景色の中を、バスはゆったりと走って行く。
一時間ほどゆられて、青島に到着。
空はすっきり晴れ渡り、絶好の野外フェス日和だ。
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received_874601399341418受付でリストバンドを巻いていると、遠くからライブの歌声が聴こえてくる。
だだっ広い敷地の端っこに、特設会場が作られていた。
事前にネットで発表されていたタイムテーブルは次の通り。
12:00 amour (Opening Act)
12:25 ヨモギ(本夛マキ、はせがわかおり)
13:00 どぶろく(山崎まさよし&三宅伸治
13:40 MAGICAL PHOENIX SESSION BAND(g ウルフルケイスケ
14:45 SODA!(Vo 浅野忠信
15:40 山崎まさよし
16:55 NICE MIDDLE with PHOENIX HORNS
石塚英彦さん、大竹しのぶさん、宮藤官九郎さんがどこに出演されるかは当日のお楽しみです♪

っな感じで、会場に入った時はオープニングのamourが終わったところだった。
会場の真ん中に大きな日除けスペースがあったので、なんとか隙間を探して、地べたに座り込む。
そのうち椅子が空いたら移動しようと思っていたら、三宅さんの追っかけのSちゃんにばったり会い。イスとテーブルにありつくことができた。
で、さっそくSちゃんとハイボールで乾杯。
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さ、長くて熱い暑い一日を楽しもう!

P_20160910_135649さて、奇想天外な夢の話や、ノーベル文学賞、日本シリーズ優勝などですっかり忘れていた宮崎の旅行記。
ここいらへんもすっかり冬景色で、気象庁のおっしゃるには、今年の冬はいつもにまして厳しいらしい。
せめて、宮崎の温暖な気候と熱いライブを思い出して、気分だけでも暖かくなろう。

ってなことで、初日はあくる日のライブに備えて、酒も抑えめにして、早めにベッドに入った。
叔父の危篤の知らせや、朝早くからの移動、宮崎の飲食店の中休み攻撃などで、思いのほか疲れていたようで、すぐに深い眠りについた。
ここ「ホテルマリアックス」は、宮崎屈指の繁華街「ニシタチ」こと西橘通りに近い上、宿泊者専用の温泉もあったので、滞在中3連泊することにした。
がしかし、難点は駅から遠いこと。
地図で見たぶんには、それほど遠く感じなかったが、実際歩いてみると、ゆうに2km以上はある。
しかもあてがわれたホテルの部屋は、7階の一番奥でこれまたエレベーターからかなり遠い。
ふだんから歩きつけてる人達と違って、まったく運動しない身としては、かなりこたえる。
部屋を変えてもらおうかとも思ったが、たまには運動になってよかっぺってことで納得することにした。
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img937eb901finvs9翌日は清々しく目覚めて、ホテルの用意してくれた朝食をいただき、支度を整えて部屋を出た。
ホテルを出て数分したところマダムが携帯を忘れたのを思い出して、部屋まで取りに戻った。
「だ、か、ら前の日からきちんと支度しないから!」などと、偉そうに説教して駅まであと少しとなった頃、マダムが「ライブチケットは大丈夫だべね?」と言い出したので「お前とは違うよ」と言ってバッグを探したら見当たらない。
昨夜持ち物をチェックした時に、忘れないようにと目立つところに出しておいてそのままだったようだ。
人の失敗をあんまりえらそうに責めるもんじゃないね。
朝から面目丸つぶれだわ・・・。

結局、2kmほど歩いたところから引き返し、また駅まで2kmの道のりを歩くことになった。
ライブの前に近くの青島神社でも参詣するか、なんて計画もすっかり水の泡である。
つごう6km以上歩いてやっと会場行きのバスに乗り込んだときは、ふたりとも気息奄々のありさまであった。
オープニングからこのザマで、この先どんなことになることやら・・・・。
toho

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