泥酔亭の成り行き日記

2017年08月

sakeいまでも連載しているかはわからないが、「酒の細道」という漫画がある。
作者はラズウェル細木といって、ほかにも何本かグルメ漫画を描いている。
タイトルにもある通り、俳句が趣味の酒好きな主人公が、様々な場面でいろんな酒を飲んでいく。
そしてラストシーンで一句。
よく考えると、吉田類の「酒場放浪記」も同じパターンだ。

単行本には作者の酒にまつわるエッセイも載っている。
あるときそこに「池波正太郎の食のエッセイが大好きだ」というようなことが書いてあった。
池波正太郎といえば「鬼平犯科帳」「剣客商売」などで知られる国民的大作家だ。
その頃は、池波正太郎のエッセイなんてのは見たこともなかったので、どんなものなのか読みたくてたまらなくなった。
しかし、今のようにネットで探すということもできない時代だったので、本屋へ行っては池波正太郎の棚を探していた。

ikeで、最初に見つけたのが「食卓の情景」
これがまた抜群に面白かった。
それから続けて「むかしの味」「散歩のとき何か食べたくなって」と手に入れた。
健啖家で知られた池波正太郎は、酒もイケるけど甘いものもイケる。
和洋中なんでもイケるし、大量にイケる。
とんかつを肴に熱燗をのむ場面なんてのもあるが、池波正太郎が書くと、とんかつの脂身を熱燗がスーッと流していくのが目に浮かんでくるようだ。
店のチョイスも素晴らしい。
構えの大小、歴史、伝統なんてところでは一切判断しない。
料理をつくる人、それを運ぶ人、接待する人、そしてそれらを全部含めた店の佇まい。
心の持ちよう
、それを大切にしていたようだ。

なにしろ文章に品があって、どんな食べ物、店を取り上げても、こちらの食欲を刺激する。
たとえば「私が映画の試写があった日の帰りなどに、[たいめいけん]に立ち寄り、二階の一隅の椅子にかけて、先ず、帆立貝のコキールと、ほどよく焼けたパンとで、ビールをのむとき、いい知れぬやすらぎをおぼえる」なんてのを読むと、今すぐにでも真似をしたくなる。
この文章を書いた頃の池波正太郎は五十代後半
今の自分とほぼ同じぐらいの年齢かと思うと、その差に愕然となる。
まさに大人と子供ほどの違いがある。

ああ、いつになったら池波正太郎みたいな粋な大人になれるものやら・・・。
一生涯無理だろうな・・・。
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P_20170819_134528マダムご生誕旅行記を書き終えるのを待っていたかのように、MacBookが壊れた
使っていると勝手にスリープ状態になって、画面が真っ暗になる。
ネットで調べて有効だと思うことはいろいろやってみたが、結局ダメみたいなので買い替えることにした。
古いタイプなので、いっそのこと最新にしようかとも思ったけど、同じタイプを買ってHDを載せ替えればデータを移し替える必要もない。
ってなことで、ヤフオクで同じタイプのMacBookを落札した。
お値段は送料込みで一万二千円ほど
これで元通り使えれば、安いお買い物だ。

c0135543_944167さてどんなもんだべかと、古いパソコンからメモリとHDをはずして、載せ替えてみた。
するといとも簡単に元と同じ環境に復元できた。
ま、考えてみりゃ当たり前なんだろうけど、あまりの簡単さに驚いた。
まさに案ずるより産むが易し、ドンキー・カルテットは小野やすし
で、何事もなかったように、このブログを書ける環境が戻ってきた。

で、来週の9/3(日)はお待ちかねのミュージック・ハーベスト
腰の案配があまり思わしくないので、ろくな手伝いも出来ないが、出店して盛り上げさせてもらう。
初めて聴く「モンスター・ロシモフ」「ズクナシ」「KAZUYA」も楽しみだし、おなじみの三宅伸治、ブルース・ザ・ブッチャー、ビート・サンセットとの再会も楽しみだ。
予報じゃ晴れるということなので、秋晴れの下、音楽浴としゃれこもう。

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お盆が近くなったと思ったら、いきなり寒くなったのでびっくり!
噂によると、暖房をいれた家もあったとかなかったとか・・・。
これで北海道の夏もすっかり終わりかと思ったら、今日からまた暑さがよみがえってきた。
この寒暖差が北海道の夏の特徴だべかね。

でまぁ、長々と書き連ねてきたこの旅行記も、ここいらでおしまい。
幕別に入ったわれわれは、町のスーパーでお気に入りの酒を仕入れて、ふと小高い山の上を見た。
するとそのてっぺんには、なにやらどでかい建物がそびえている。
なんかの宗教施設だべか?と、ナビの言う通りに山道を登って行くと、その建物にどんどん近づいていく。
たどり着いてみると、そのどでかい建物が今夜のお宿「幕別グランヴィリオホテル」であった。
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フロントでキーを受け取り、7階の部屋にはいると、昨夜に続いてここもベランダからの絶景が広がっている。
P_20170710_160136_HDR今回の旅は、絶景に恵まれている。
黙っていても小高い丘の上にあるってのに、さらにまた7階も上がれば、そりゃあ見晴らしがいいに決まってるってもんだ。
温泉ももちろんモール温泉で、10種類以上の湯船も備えているバブル時代の残り香あふれる湯宿だ。
ひとっ風呂浴びて、ベランダからだだっ広い十勝平野を眺めながら、ビールを飲んでいるとバカでかい観光バスが何台も駐車場に入ってくる。
で、そこから降りてくる団体さんは、爆買いでその名を轟かせている中華の方々
今夜のヴァイキング会場を想像すると、寒気がしたが、さすがそこらへんは抜かりがなく、中華系の方々の夕食会場は、われわれとは別の場所に設定されていた。

P_20170711_032700_NT大きいことはいいことだ精神の拡大主義の方々と、ヴァイキングの会場を共にするなんぞ、考えただけでも恐ろしいわ。
日本酒利酒付きのコースを味わい、遠くに大音量の中国語を聞きながら、その日の夕食はおごそかに終了。
夜明け頃目がさめてベランダに出ると、広大な十勝平野を大きな満月が照らしていた。
マダムの「うなぎで一杯やりたい」から始まった、二泊三日の十勝の旅はこんな感じで終わっていった。
降る降るといっていた雨はひと粒も降らず、芦別に入る少し手前になってから、ようやく思い出したように土砂降りになった。
これもマダムの日頃の行いの良さのおかげか。

ってなことで、マダムご生誕◯◯周年記念旅行記、第一巻の終わりとするところであります!
さらば十勝よ、また来る日まで・・・。

FullSizeRender-113蕎麦、うなぎフルコース、お夜食のうどんを堪能し、ぐっすり眠った翌日、「ぱんちょうの豚丼」と並ぶ帯広のソウルフード「インデアンカレー」を昼食に決め、ホテルを後にした。
調べたところによると、駅裏の「長崎屋」にも支店があるという。
いまどきのショッピングセンターは、9時オープンが当たり前なので早めに行ってみると、さすが老舗の長崎屋、10時にならなければ開店しないようだ。
そういえば、むかしラジオのCMで「10時をお知らせします。長崎屋の開店の時間です」ってのがあったっけ。
いまも伝統は守られてるってわけね。

駅のショッピング・モールは開店していたので、ちょこちょことお買い物なんぞをして時間を潰して、いざインデアンへ。
P_20170710_113146久々に食べるインデアンカレーは、以前とまったく変わらないオーソドックスな味と見かけ、そしてお手頃な料金設定
このシンプルさが、長きにわたって帯広市民の舌を満足させてきたってわけだ。
このインデアンカレー、そこいらの繁盛店とちがって、ちょっと売れたからって全国展開なんてことはせずに、ひたすら十勝にとどまっている
しかもレトルトを販売したり、コンビニとコラボしたりなんてこともない。
だからこそ、十勝の人間にこれだけ長く愛されているってわけだ。
知り合いの言うには、バーモント・カレーがベースだという話もあるらしい。
働いていた人にも聞いたが、90%はわかったが、最後の10%は一部の人間の秘伝だとのこと。
このあたり前の味だから、飽きられずに、今も残ってるんだなぁ。
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P_20170710_125442で、名物も食ったし、しばし自然に親しも
うってことで、市内で一番広い緑ヶ丘公園へ行く。
ここにゃなんでも日本一長いベンチがあって、そこにあのオノ・ヨーコさんも来たとか来ないとか。
それにしても、予報では雨だったはずが、昼を過ぎてますます気温がうなぎのぼりに上がっている。
空のどこを見ても、雨なんざ降ってきそうにないピーカンの青空だ。
炎天の中、ベンチを見つけて記念撮影をして、フェイスブックにアップしたところ、さっそく「日本一はどこかに抜かれたはずです」との無情のコメント。
くやしいので調べてみたら、2011年8月28日に全長653mのベンチ(帯広は400m)が富山県南砺市に完成して、現在はそこが日本一とのこと。
完成の6年後に石川県冨来町にも抜かれているので、現在日本で3番目に長いベンチということだ。

いくら空を眺めても、雨のひと粒も降ってこなさそうなので、早めに今夜の宿のある幕別に移動して、温泉に入ってビールでも飲むことにした。
それにしても、昨日より暑いかも・・・。
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