泥酔亭の成り行き日記

2018年08月

IMG_1401翌日薄暗いうちから部屋を出て、うぐいすやらウシガエルやら名前のわからん鳥や獣たち?の声を聞きながら朝の大浜へ向かう。
風もほとんどなく、東の空がゆっくりと明るくなってくる。
聞こえるのは波の音だけ・・・と、あいかわらずの野鳥の声。
少しなら風情もあるってもんだが、ここまで鳴かれるとちとうるさい。
しかも大勢でこれでもかと鳴いているうぐいすは、どうにも海の景色に合わない。
うぐいすっていやぁ梅だろう!! どっかいけ!!

まぁ、しっかりと壱岐の島の壮大な朝日を堪能したので、次は一度宿に戻ってレンタカーを借りにいく。
で、おとなしく昨日と同じ道を通って帰ればよかったものを、「そういやぁ滑走路の反対側を通っても戻れるはずだし、途中もうひとつのきれいな浜もあるらしいし・・」なんて思いついて、昨日とは反対の道を行くことにした。
昨日通った西ルート?と違ってこっちの東ルートは少し遠回りになるが、まだ時間も早いし少し歩いた方がメシもうまいだろうってんで、うぐいすの声を聞きながら歩き出した。
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IMG_1408ところがこの東ルートの遠いこと遠いこと・・・いつまで歩いても滑走路の端までたどり着かない。
ようようのことで滑走路を回り込んだ頃には2人ともくたくたに疲れてしまっていた。
が、これから今歩いたのと同じ距離を戻らなければいけないのだ・・・。
しかもこのルート大きく回り込んでいるらしく、なんとなく空港から離れていってる気がする。
先ほどの朝日を見た時の高揚感はどこへやら、2人とも空クチを聞く元気もなくただ黙々と歩き続けた。
すると目の前に「空港方面」という小さな看板が目に入った。
「おっ!!こっちだ」といってその先を見ると、その先にはものすごい急な坂道が続いていた。
マダムがそれを見ると、うんざりしたような顔をして「ほかにも行き方あるんじゃない?」といってすたすた歩き出した。
IMG_1412で、このひとことがこれから延々と続く迷走の第一歩となったのだ。

陽はぐんぐんと昇り、気温も順調に上昇してくる中、だれもいない森の中を歩いているのは完全に道に迷った中年夫婦。
毛細血管のように入り組んだ田舎の道は、東に向かったはずがいつのまにか北に向かい、どうにもさっき見たような道に出てみたり、まるで天狗に化かされたかのようだ。
だれかに道を聞こうにも、薄暗い森の中には人っこひとりいない。
とそこに小さなほこらがあったので、こうなりゃ困った時のなんとやら、さい銭をあげて「なんとか宿にたどり着きますように」とお参りして、ふと祭神を見ると「猿田彦大神」とのこと。
天狗のモデルともいわれるこの神様は、道案内の神様としても知られている。
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こいつはなんとかなるかもと思い、明るい方を選んで歩いていくと、遠くから車が一台走って来た。
空港への道を尋ねると、目の前にある小高い丘のむこうが空港だった。
ってことは、空港のそばの小道をあっちこっち歩き回っていただけらしい。
遠くて近きは男女の中 近くて遠きは田舎の道・・・。
猿田彦大神さま、ありがとうございました!!
猿田彦

o0300040014240949414北海道らしくない猛暑が数日間続いたと思ったら、もう朝晩涼しい風が吹いている。
しのぎやすいのはけっこうだがギャップの大きい分、体調を崩している人も多いようだ。
なんだか日の暮れるのも早くなってきている気がするし、マダムは盆前だというのに「もう秋だねぇ」なんてぼやいている。
あちこちでも花火大会や、夏のイベントが目白押しだ。
短い北海道の夏、いろいろと楽しまなきゃ。

で、初めて渡った壱岐の島
地図で見るとほんの小さな島だが、古代より大陸からの玄関口として重要な島らしく、「魏志倭人伝」にも一支国(いきこく、原文では一大国)として書かれている。
大陸からの使者を受け入れるだけの、大きなクニが栄えていたらしく、島のあちらこちらに古跡や大きな遺跡が点在している。
そして日本神道発祥の地といわれるように、大小様々な神社が千以上もあるという。
明日はレンタカーを借りて、行き当たりばったりでいくつかの神社を廻ってみようと思っている。
Tsushima_map

なんとなく懐かしい感じのする海岸を一時間ほど散歩しているうちに、日が傾いてきたので宿に戻ることにした。
来るときに通ったトンネルは暗くなると薄気味悪いので、滑走路を迂回するように海岸線を歩いて宿に戻った。
季節外れということもあるのか、今夜泊まっているのはわれわれ2人だけ。
長崎のスーパーで仕入れたおかずをつまみに、軽い晩酌。
昨夜の豪勢な宴と180度ちがう質素な夕食だ。
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で、食べ終わると何もすることがないので、早々とご就寝。
明日は日の昇る前に起きて、恒例の朝日遥拝および朝のお散歩の予定だ。
長崎散策から始まって、なかなかに中身の濃い一日だったので、2人ともあっというまに眠りに落ちた。
聞こえてくるのは波と風の音だけ・・・。
卑弥呼の時代に想いを馳せてGood Night・・・・。
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largeもう夏なんか来ないんじゃないかと思わせるような連日のぐずついた天気も、ある日を境に一気に猛暑に突入した。
まるで今までのもやもやを晴らすかのように、毎日とんでもない暑さが大暴れしている。
慣れる間もないうちに、一度に熱帯化してしまったもんだから、体の方もたまったもんじゃない。
うちは2人ともクーラーが苦手だが、客商売ともなるとそんなこともいってられない。
ってんで、クーラーをかけていたら案の定2人とも夏風邪をひいてしまった。
おかげさまでこじらせずに回復したが、この暑さ・・・いつまで続くことやら。
やっと体もなれた頃、短い秋のあとにまた長い冬が来るのか?
そんな猛暑にとてもパソコンに向かう気力もなかったが、今朝少し雨が降ったせいか、今日は時々風が吹いて過ごしやすい。
ってことで、どこまで書いたかわからなくなっていた、旅行記の続きでも・・・。

P_20180514_173319たしか長崎空港から小型機に乗って、壱岐の島を目指したところまで書いてたはずだ。
17:10発のOC45便は一瞬!!水平飛行したあと、すぐに着陸態勢に入り17:40には壱岐空港に着陸した。
想像以上に小さな壱岐空港を出て、今夜の宿へ向かう。
グーグルマップを当てに歩くこと15分、やっとペンション「かもめのとまり木」に到着。
ところが玄関のドアは開くが、いくら呼んでも誰も出てこない。
「御用の方はこちらへ」という電話番号も応答なし
いくら予約してあるとはいっても、まさか勝手に部屋に入るわけにも行かず、途方に暮れてしまった。
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そうしてかなり時間が経った頃、マダムが「声が聞こえる」といって、宿の裏の方へ向かった。
するとそこでは宿の夫婦らしい2人がのんびりとBBQをやっていた・・・。
奥さんらしき人はまるで何事もなかったように「ああ・・そういえば伊藤さん?」ってな感じで、部屋に案内してくれた。
いかにも「島」らしい対応といえばそうもいえるが、マダムが気付かなければどうなっていたことやら・・・。
kamo

部屋に荷物を置き、買ってきた飲み物などを冷蔵庫に入れ、ひとまず壱岐で一番きれいだという「大浜」に行くことにした。
宿のすぐそばなのだが、浜に行くには、滑走路の下をくぐらなければ行けない。
その薄暗いトンネルをおそるおそる歩いて、やっとのこと大浜へ出た。
南国の浜辺というより、日本昔話に出てくるような懐かしい風情の浜だ。
生ぬるい風も心地よく、岩に生えている松がこれまたいい味を出している。

宿のまわりには、ジュースの自販機がひとつあるだけで、商店の一軒もない。
散歩のあとはまちがいなく何もすることがないので、日が傾くまで浜を歩き回った。
さ、そろそろ宿に帰って、スーパーで買ったつまみで一杯飲んで寝るか!!
なんだかえらく長い一日だった・・・。
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