泥酔亭の成り行き日記

2018年09月

IMG_1456船頭さんのジョークを交えた説明を聞きながら、遊覧船は晴天の下、外海へ出た。
対馬が近くに見える。
魏志倭人伝の書かれた時代、ここを多くの交易船が通っていたと思うと、タイムスリップしたような気分になる。
沖の方はかすんでいるが、世界遺産になった沖の島も見えることがあるという。
と、そんなことをのほほんと考えているうちに、海の色がだんだんと変わっていった。
この独特の色をここではドラゴン・ブルーと呼ぶらしい。
海の宮殿といわれるたくさんの奇岩、絶壁も迫力満点で、すぐそばまで船を寄せてくれる。
マンモス岩、蛇が谷などを回り込むと、急にその奇岩の上に人が見えたので驚いた。
釣り人みたいだが、どうやってそこへ登ったんだべ・・・?
ってなことで、ドラゴン・ブルーをたっぷりと堪能して、遊覧船は無事勝本港に到着
小島神社の干潮まであまり時間がないので、ドラゴンブルーに後ろ髪を引かれながら、急ぎ足で次なる目的地イルカパークへ向かう。
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IMG_1489イルカパークについてみると、想像していたような派手さはまったくない。
イルカとふれあえるプレイング・タイムや餌やり体験もあるらしいが、時間が合わないので見学だけすることにした。
といっても、ちょうど餌やりの時間だったので、イルカたちは餌ほしさに勝手に芸を披露してくれる。
ジャンプなどもすぐ目の前なので迫力一杯で水しぶきがバシャバシャ飛んでくる。
飼育の人たちはみんな若く、説明をしてくれた○○ちゃんなどは22歳、責任者の△△さんでさえ26歳の若さ。(名前を聞いたけど忘れた)
その女の子たちがイルカの頭をなでたり、芸を教えたりしているところは、まるで女学生が遊んでいるようにしか見えない(失敬・・)。
イルカがすぐそばまで寄ってくるので、バシャバシャと写真を撮っていたら、手がすべってデジカメが海の中へどぼんと落ちてしまった。
スマホより画像がよかろうと、今回の旅のほとんどをこのデジカメで撮影していた。
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IMG_1480「これで今回の写真はほとんどパァか・・・」と思っていたら、そばにいた○○ちゃん(22)が、「デジカメ落としたんですか?」というが早いか、責任者の△△さん(26)が「○○!!潜水の用意!!」といって、スタッフが全員施設の方へ走っていった。
あっというまにアクアラングからウェットスーツまで用意して、「このあたりですか?」といって責任者の△△(26)さんは海の中に潜っていった。
10分ほどもぐって「これですか?」といって渡されたのは、見たこともないハンディ・ビデオカメラ
どうやらほかのお客さんが以前落としたものらしい。
違うとわかったら、また△△(26)さんは海の中へと潜っていった。

IMG_1488なんでもイルカが遊んでくれると勘違いして寄ってくるので、砂が巻き上げられて視界が悪いらしい。
今度浮いてきたら「あきらめた」といおうと待っていたら、20分ほどして落としたカメラを手に△△さん(26)が上がってきた。
かなり長い時間塩水に浸かっていたので、データも消えているだろうけど、そんなことより春の冷たい海の中を30分以上も探してくれたスタッフの人たちにはどれだけお礼を言っても足りないぐらいだ。
なんどもお礼を言って「帰ったらなにか送ります」というと、○○ちゃん(22)は「気にしないでください。見つかってよかったですね」と爽やかな笑顔で答えてくれた。

家に帰ってから恐る恐るSDカードを引っ張り出してみたら、なんと!!すべての写真が読み取れた
イルカパークのスタッフのみなさん、本当にありがとうございました。
神の島で生きている女神たちに出会えたような気分だった。
やっぱり旅はいいなぁ。

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IMG_1483小島神社の潮が引くまでの時間つぶしに、島の最北端にあるイルカパークに行くことにした。
島の入り江を利用したイルカの飼育兼訓練所だそうだ。
近くには勝本という集落もあり、食事どころもあるようだ。
ってことで、壱岐の島を北上し、勝本町に到着。
ネットによれば「大幸」という食事どころが有名らしい。
ちょうど昼時なのでイヤな予感がしたが、ひとまず入店。
わりと広い店内に、予想通り団体客用に予約席のカードがあちこちに置かれている。
それでも空いているところに座ったのだが「いらっしゃい」のひと言もない。
そのうち混んでくることもはっきりしているし、挨拶もろくにできない店にうまい料理なんぞ作れるはずがない。
ってんで、これ以上イヤな気分になる前に、さっさと退散させていただいた。
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外へ出るとちょうどいい潮風が吹いていたんで、しばし路地裏をうろつくことにした。
P_20180515_120557天気はいいし、景色も申し分ないので、コンビニあたりで軽いもんでも買って、潮風をおかずに屋外ランチにでもしようか・・・と、思っていたら路地を入ったところに、マダムが一軒の食堂を見つけた。
いかにも地元民御用達といったたたずまいだ。
「よしもと」と書かれたのれんをくぐると、カウンターには作業服姿の常連さんたちが「いつもの!!」などと注文している。
こういう店にハズレはないはずだ。
で、おすすめの「天刺定食」と「刺身定食」を注文。
運転がなけりゃ、きりっと冷えた純米酒をくいっといきたくなるようなイキのいい刺身とからりと揚がった天ぷら。
あらためてマダムの美味を嗅ぎ当てる臭覚に感心した。

島の味を堪能して、さてイルカパークに向かおうかと、海の方を見ると「遊覧船」という看板が見える。
なんでもちょいと沖の方へ行くと、まるで船が浮いて見えるほどの透明度のエメラルド・グリーンの海が見られるという。
エメラルド・グリーン・マニアのマダムとして、こいつは見逃すわけにはいかない。
ってんで、お一人様¥700のチケットを購入して辰ノ島クルージングに出発!!
お客はわれわれのほかはカップルが一組だけ。
船頭?さんもくだけたおじさんで、「この人数だから、時間もコースも適当でいいでしょ?」というフランクさ。
こりゃあ楽しくなりそうだわ。

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IMG_1430朝日御遥拝の儀とその後の長時間の無意味な徘徊によって、朝からすっかり疲労困憊だったが、この先はレンタカーでの島内巡りと思うと少し気が楽だ。
空港の隣にあるバジェットレンタカーは、ネットからの予約で一泊二日¥10.718
しかも帰りのフェリー乗り場で乗り捨てだ。
便利な世の中になったもんだ。

手続きを済ませて最初に向かったのは、日本のモンサン・ミッシェルといわれる小島神社。
その途中、なにやら藁葺きの屋根のようなものがいくつも見えてきた。
近寄ってみるとかなり大きな遺跡で、ネットで検索してみると「原の辻遺跡」という魏志倭人伝に記された「一支国」の王都の跡らしい。
出入りは自由そうなので、ちょっと寄ってみることにした。
いろいろ見て回るとなんだか弥生時代の人たちの息吹が聞こえてくるような気がした。
に追われたり、に遭遇したりと、にぎやかに見て回ったあと、目的の小島神社へ向かった。
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IMG_1434干潮時になると参道があらわれるというので、よく見方のわからない干満図を見たところ、今日の干潮時は午後二時頃らしい。
今はまだ午前十時頃だが、海の中にある姿も見てみようと小島神社へ向かった。
鳥居と島が見えてきたので堤防まで近寄ってみたが、かなり深そうでこれがあと数時間で島まで潮が引くとは信じられない。
ま、ひとまず堤防のこちら側からお参りさせていただいた。

お次は「月マニア」のマダムのリクエストで、「月読神社」を目指した。
天照大神、須佐之男命と並んで三貴神の一柱である月読命は、記紀にもほとんど登場しない謎の多い神だ。
以前伊勢にある月読神社にも行ったが、ここ壱岐の月読神社が本家で、いつから祀られているのか記録にないほど古い神社ということだ。

IMG_1442で、あやふやなナビをたよりにぐるぐる回ってみたが、どうにも見つからない。
なにしろこの島には千を越す神社がある
たしかにふと森の方を見ると、人ひとりが通れるような小さな道があちこちにある。
その先にはおそらく小さな神社があるのだろう。
で、いよいよ見つからないので誰かに尋ねようかと思っていたら、マダムが林のむこうにちらっと鳥居が見えたという。
そこに違いないと細い道を車でいけるところまで行ってみると、薄暗い森の中に古い鳥居があった。
そこをくぐり階段を上り、参拝をすませて扁額を見たが、字がかすんでなんと書いてあるか読み取れない。
IMG_1446車に乗ってから「月読神社」の写真を見なおしたが、なんだかぜんぜん違うたたずまいだ。
と、しばらく走っていたら「月読神社」という石碑がとつぜんあらわれた。
たしかにパンフレットに載っている写真と同じだ。
ってことは、さっきの神社はいったいなんの神社だったんだべか?
きっと朝の猿田彦神社と同じで、なんかの縁があったんだべね。

で、やっとのことで月読神社にご参拝終了。
お次はなんか美味いもんでも探すとするか。

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