泥酔亭の成り行き日記

2019年05月

P1010870毎年恒例の春の研修?旅行
今年はどこに出かけようかといろいろと探してみた。
どうせなら今まで行ったことのない県がいい。
まだ足を踏み入れたことのない県は「岩手県」「山形県」「福島県」「新潟県」・・・四国では「徳島県」九州では「大分県」「熊本県」「鹿児島県」など合わせて19県もある。
最初は日本酒の本場「新潟県」から立川志の輔の故郷「富山県」あたりにしようかと思い、飛行機の時間や料金を調べたが、なかなかいいのが見つからない。

やはり格安で便数が多いのは、羽田、中部、関空、福岡あたり。
新潟空港や富山空港を調べたが、到着時間が遅かったり、料金が高かったりとちょうどいいのが見つからない。
調べるうちに中部国際空港に安いチケットを見つけた。
出発は千歳発8:40、中部国際着10:25と時間もよく、早割55とやらでお一人様片道¥7,080 という値打ち価格だ。
帰りも同じ料金で中部国際発15:15、千歳着16:55というのが見つかった。
問題はそこからどこへ向かうかだ。
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map01最初の目的地新潟はちょいと遠すぎるので、富山に行き立山アルペンルートあたりから長野県に抜けて信州そばで一杯・・・なんてのも考えてみた。
が、調べてみると見所が多すぎて、ゆっくりと廻らないと価値がないようだ。
肝心のマダムもなにやら乗り気じゃない。
ならばどこがよかっぺ?と考えていたら、死んだ婆さまの言葉がよみがえってきた。
「将来奉公に行ったとき、故郷(くに)はどこかと尋ねられたら、福井だと言え」。
奉公だの故郷(くに)だの、なんとも時代を感じさせてくれる。
今はもう確かめようはないが、どうもわが伊藤一族は福井から流れてきたようだ。

fukui1調べているうちに、福井県には沖縄に匹敵するような青い海と白い砂浜を持つ「水島」なる離島もあるそうな。
さらにふだん愛飲している「黒龍」の酒蔵もある。
離島マニアのマダムも食指をのばしてきた。
列車の乗り継ぎを調べたら、敦賀まで二時間程度で行ける。
あとはレンタカーでも借りて、蔵元を廻ったり、名所を見物したりすればいい。

ってなことで、今回の春の研修?旅行は福井県に決定!!

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IMG_20190509_121701平成が令和になったとたんに、まっさきに飛び込んできたのは遠藤ミチロウの訃報だった。
カウントダウンの乾杯のあと、ひとしきり騒いで、残った客とまったりとしていた。
そこへ「いまネット・ニュースを見たら、ミチロウさんが亡くなったって・・」と連絡が入った。
亡くなったのは、4/25だったという。
人を驚かせるのが好きだったミチロウさんが「俺が死んだら新元号のしょっぱなに発表してくれ」と言い残していたのかもしれない。
思い返せば、4/24の夜トイレの窓に飾ってあったミチロウさんからのはがきの額を、お客さんが落として割ってしまった。
落とそうとしても落とせる場所にないので、「ミチロウさんになにかなければいいね」と話し合っていた。
もしかすると、律儀な人だったから亡くなる前日に訪ねてきてくれたのかも・・・。

昨年の11月ミチロウさんの誕生日に合わせて、膵臓がんを発表。
それから闘病生活に入っていた。
その数年前にも膠原病の一種「全身性エリテマトーデス」という難病を患い、退院後も抗がん剤や免疫抑制剤などを服用しながら、全国を廻っていた。
ディランでは昨年6/30の中村達也とのデュオ「タッチミー」でのライブが最後になってしまった。
その夜の演奏は、まるで今までのすべてを吐き出すような圧巻のライブだった。
いつもは数曲しかやらないスターリン時代の曲も、これでもかと演奏して、満場のお客さんたちを驚喜させていた。
そのパワフルな姿を見て、あらためて「この人には病気も年齢も関係ないんだ」と思わされた。
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IMG_2155その姿が強烈だったので、きっと病気も克服してまた会える日が来ると思っていた。
1996年に初めてディランに来てくれてから、ほとんど毎年のようにやってきてくれた。
酒は飲まないが話し好きで、だれに対しても優しく真剣にいろんなことを話してくれた。
振り返るとミチロウさんからどれだけ多くのものを教わったのか。
本当の知性と言うものを感じさせてくれる人だったし、それに裏打ちされた一流のユーモアセンスを持った人だった。

そんな不世出のパンクロッカーと20年以上に渡ってつきあってもらったことは、何物にも代え難い宝物だ。
忌野清志郎、どんと、高田渡、遠藤賢司、内田裕也、山口富士男、萩原健一・・・。
なにをやらかすかわからないような規格外の表現者たちが相次いでこの世を去り、残っているのはセコく計算高いうすっぺらな連中ばかりだ。
ミチロウさんの死でなにかの時代の1ページは確実に終わった気がする。
次からのページにはなんの興味もない。

♪どこまでも続く一本道の そのまたずっとむこうの天国あたり
なにを見つけたのか それはお楽しみ 「JUST LIKE A BOY」
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