hori01いくら足が速いからって、こんなに早くお前が俺たちの前からいなくなるなんて想像もしなかった。
十代の頃、埼玉から自転車で北海道一周の旅に来て、そのあと富良野に住み着いたって言ってたっけ。
初めて会った時はモトクロスでレースに出てるっていってたよな。
それからしばらく顔を見せなかったけど、ディランが移転した頃また顔を出し始めた。
あの長かった髪をすっかり剃り上げてスキンヘッドになってたのには驚いたわ。

hori02帯広に出張に行ってたとき知り合った沖縄の青年に誘われてマラソンをやるなんて言い出して、いきなり富良野からディランまで走ってきた時はびっくりしたぞ。
真っ青な顔して「死ぬかと思った」って。
そりゃあそうだろう、なんキロあると思ってんだ!っていったけど、それからしばらくしたら本当に余裕で富良野から走ってきたのには驚いたわ。
で、沖縄の青年との約束で那覇マラソン完走
初の北海道マラソンで走歴27年のケンちゃんを余裕のぶっちぎり。
あげくにはうちら夫婦まで美瑛マラソンで走らせる始末。
追いかける時と逃げる時しか走ったことないのに・・死ぬ目にあったわ。

どんな誘いにも「いいっすよ」といっていつも気持ちよく手伝ってくれた。hori03
ディランでのライブも常連で、目立たないように打ち上げの用意も手伝ってくれた。
もちろんハーベストでも縁の下の力持ちで、黙々と働いていた。
ずっといると思ってたから、なんのお返しもしなかったじゃないか!
「走っていてつらくないの?」ってマダムが聞いたら「辛いから走ってんじゃないッスか」っていってたってか。
お前のその辛さを誰かがわかってくれてたのか?

なにかから逃げるように走ってルのかと思ってたけど、いまやっとわかったわ。
逃げてたんじゃなくて、向かってくるものに飛びかかっていってたんだな。
見えないなにかに向かい続けていたおまえはまだそいつに向かって走りつづけてるのか?
引き返してもう一度こっちに帰って来い!
みんな待ってるぞ。
俺はまだ何もお前にお返ししてないべ!

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