hello自主レーベル「Hello」から、New Album「Hello」を発表したローリング・ピアノマン「リクオ」が、今年もやってきた。
新しいアルパムのコンセブとは、ずばりPop!
リクオが今まで聴いてきた、数多くのPop Musicに対するリスペクトがたっぷり詰まった弾けるような一枚だ。
前作「Hobo House」は、自然の中に流れる風のような優しいイメージのアルバムだったが、今作は街の雑踏の中を踊りながら、駆け抜けているような華やかなイメージであふれている。

MCで言っていたが、リクオがディランに来るようになって、今年で18年だという。
hobo-house移転する前の狭い店にエレピを置いて、ライブしていたのがついこの間のようだ。
「移転したら、リクオのために必ず生ピアノを入れるわ」といったら、嬉しそうに「ほんまですか!」と喜んでくれた。
スケジュールの都合で、このピアノの演奏第一号は、シカゴのブルース・ピアニスト「アリヨ」に譲ってしまったが、それからはずっとリクオがこのピアノを弾いている。

このあいだのライブでも、いかにもリクオらしい軽やかで、跳ねまわるようなピアノが聴けた。
一曲目「マウンテン・バイク」の歌詞のように、♪ 歳食うほどに ハメ外し 図に乗り 近頃煮詰まりだしてる世界 ♪ を、笑わせてくれた。
P1090491新しいアルバムからもたくさんの曲を披露してくれたが、前に進むことだけじゃなく、振り返ることも大切だという「Look Back」は心に沁みた。
ポジティブに肩を抱き合って、さぁ歩こう!みたいな人生応援ソングばかりがやかましい世の中で、立ち止まろう、うしろを振り向こう 残してきた足あとにたくさんのヒントが転がっているはず、と歌う。
なにもかもなかったことにされてたまるか!という気持ちは、「ありがとう サヨナラ原子力発電所」にも通じるリクオからのメッセージだ。

最後はリクオの原点ともいえる、清志郎との共作「胸が痛いよ」をお客さんのリクエストに応じて歌ってくれた。
今はいない清志郎の姿が、浮かび上がってくるような名演で、ライブは終わりを告げた。
二年後は、リクオがディランに来てから20年。
なにか楽しいイベントでもやりたいものだ。
それまでお互い元気でいようぜ!