bob16日の遠藤ミチロウ・ライブで、いちおう今年のライブも終了した。
ゆっくりと紅葉でも・・なんて思っていたら、昨日の早朝どでかい落雷とともに冬がやってきた。
まだ根雪にはならないが、急に冷え込んで、冷たい風が吹き荒れている。

さて、ミチロウさんのライブでも話題にのぼったが、ボブ・ディランがノーベル文学賞を受賞した。
音楽家では初めての受賞らしい。
当然、あちこちから非難の声が上がっている。
ミチロウさんいわく「漫画家が芥川賞取ったようなもんだ」。
たしかにいくらつげ義春が漫画の世界に文学的表現を持ち込んだといっても、芥川賞なんか受賞したら、作家はじめ評論家あたりに袋叩きにされるべね。
つげ
ま、ディランは別にほしがってたわけでもないようで、まったく連絡が取れないらしい。
するとまたまわりは「自分にふさわしくないから人前に顔を出せないんだろう」とか「身の程を知ってるなら辞退すべきだ」などといってる。
bob2ま、それはそれとして、受賞が決まった時はテレビでも速報が流れたようで、知り合いの寿司屋の親方からマダムに「ボブ・ディランノーベル文学賞受賞おめでとうございます」とメッセージが届いた。
するとほどなく道新の支局長から電話が来て、コメントをもらいたいという。
といっても、こちらはただのファンなので、「すごいですね」というぐらいしかない。
次の日の朝刊には「音楽における詩の可能性を広げた」なんて、しゃれたコメントが載っていたが。

そのあともいろんな人から「おめでとう」メールがたくさん来たが、ディランの名前を三十有余年、無断借用しているだけなので、なんといっていいのやら・・・。
すると翌日の昼過ぎ、チャイムとともにSTVテレビまでやって来た。
3時間ほどああでもないこうでもないと、いろいろ撮影して最後にコメントを撮られたが、どうせカットされるだろうと思い、ダラダラとしゃべっていたら、うまいことつなげてそれらしく放映されていた。

bob3  その夜はいろいろなお客さんから、「おめでとう。まぁ飲め」と、受賞に便乗させていただき、たいそうごちそうになった。
受賞特需も一日で収束し、世間もあっという間に静かになった。
若い頃から賞賛と同じぐらい非難されているディランにとっては、今さらガタガタ言われても柳に風と聞き流していることだろう。
エレキギターを持てば「裏切り者」といわれ、タキシードを着てライブをすれば「ラスベガスのショー」といわれ、作品と関係のないところで、さんざんグダグダ言われてきた。

なんのインタビューか忘れたが、ディランがこう言っている。
「なにも変わらない。詩を書き曲を作り、アルバムを作って、ステージで歌うだけだ」。
ディランがずっとやってきたのは、今も昔もこのことだけなのだ。