bigmacなんでも経済学には「ビッグマック指数」というのがあって、世界各国で販売されているマクドナルドのビッグマックの値段を比較することで、各国の通貨の妥当性を測る指数らしい。
これはこのあいだ図書館で借りてきた「決算忠臣蔵」からの引用だ。
この中では忠臣蔵のあった時代の、屋台のかけそばの値段を現代に置き換えて、それをもとに当時の物価を計算している。
まずかけそば一杯をワンコインより少し安めの¥480に設定する。
落語などでもよく出てくるように、そばは二八の十六文
これが現代の¥480だとすると、一文は¥30、これをビックマック指数じゃないが、そば指数として元禄時代の値段を現代の金額に換算する。
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銭は千文で一貫文といい、金に換算すると一分になる。
四分で一両となるから、小判一枚は12万円ということになる。
これまた落語などでは、富札の値段が一分(3万円)、当たれば千両となるから今の一億二千万円
江戸の庶民がいろんなものを質に入れても、富くじに夢中になるわけだ。
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っことで、この小説、大石内蔵助の残した「預置候金銀請払帳(あずかりおきそうろうきんぎんうけはらいちょう)」を元に、浅野藩取り潰しから討ち入りまでを、金の動きから読み取ろうとした話だ。
まず播州浅野藩は五万石、五公五民で半分として二万五千石の収入になる。
米の価値は一石三斗が金一両といわれているので、そば指数で計算すると一石が九万二千三百円
二万五千石だと二十三億円になる。
その他名産であった塩田の税収や、私墾田六千石の収入も合わせると、約三十億円が浅野藩の収入となる。
城代家老である大石内蔵助の年収は、六千九百二十三万円
妾が何人もいたというのも頷けるほどの高給取りだ。
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で、おなじみの松の廊下の刃傷沙汰で浅野内匠頭の切腹から、お家おとりつぶし、臣下離散ののち吉良邸討ち入りというおなじみの話になる。
この小説の面白さはまず浅野藩の登場人物がみんな関西弁というところにある。
今まで長谷川一夫などの重厚な役作りから、大石内蔵助の関西弁は想像したこともなかった。
しかも切腹の知らせを聞いた最初のひとことは「なんでやねん?」
そこから討ち入りまでのドタバタは金の動きと連動して、一級のコメディになっている。

堤真一主演で映画化されたというから、レンタルが始まったらぜひ観てみたい。
久しぶりに笑える小説に出会ったわ。
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