泥酔亭の成り行き日記

カテゴリ: ライブ

pack-F初めて頭脳警察を聴いたのは、中学三年の頃だった。
やっと少しギターを覚えたての頃で、流行りだったフォークソングをなんとなくダラダラと弾いていた。
拓郎や泉谷なんかを聴いた時思ったのは、ウマイのどうのより、こんな身近なことを自分の言葉で歌ってもいいんだべか?ってことだった。
それまでのフォークソングや歌謡曲といやぁ、きちんとした作詞家の先生が美しいフレーズを並べ立て、それをまた作曲家の先生が、美しいメロディーに乗せるってのが定番だった。
ところが、岡林信康や高石ともやなんぞは、自分のまわりの出来事や考えを自分で作曲して歌っていた。
さらにボブ・ディランたちの影響だろうが、反体制ソングまで歌っていた。
しかも簡単なコード進行で・・。

img_1フォークの世界はざっとそんな感じだったが、その当時の日本のロック界といえば、「日本語でロックは歌えるのか?」なんてぇことが、真剣に論じられていた。
たしかにロックのリズムに日本語を乗せると、どうにもしっくりこない。
もともとアチラの音楽なので仕方がないが、フォークのように自分の言葉でロックをやりたいと思うのも当然だった。
そこへ出てきたのが、はっぴいえんどで、日本語をロックに乗せるために、じつに様々なやり方で挑戦していた。
しかし、田舎のぼんくらロック少年には、はっぴいえんどはなんとなく上品で、インテリの匂いがして好きだったけどイマイチしっくり来なかった。

でもって、放課後遊びに行った友達の部屋で聴かされたのが、頭脳警察だった。
1stアルバムは発売中止2ndアルバムは発売後すぐに自主回収、やっと出たのがこの「頭脳警察3 」だということだった。76014893
そして流れてきたA面一曲目タイトルは「ふざけるんじゃねえよ」
拓郎や泉谷が、自分たちの言葉で歌を作ったことにも驚いたが、こんなタイトルが許されるのか?
鋭いカッティングのギターとドラムに乗せて流れてきたその歌は、あまりに今まで聴いてきた曲と違うので、最初は英語かと思ったぐらい衝撃的だった。
歌詞カードを見ながら、聴き直すとそれはたしかに日本語で、見事にロックのビートに乗っている。

さて、それからというもの、その歌が耳について離れない。
日本語でロックが出来る!
しかもかっこよく!
XATB-1019027そのあと矢継ぎ早に、村八分、外道、サンハウス、カルメンマキ&オズ、サウス・トゥ・サウスなど、日本語によるロックの壁をやすやすと乗り越えるバンドが登場してきた。
しかし、自分にとって一番最初にその可能性を見せてくれたのは、まぎれもなく頭脳警察だった。

それからあとは、解散するまで頭脳警察のアルバムを買い、パンタがソロになってもずっと聴き続けた。
それだけ影響を与えてくれた、頭脳警察のパンタが、ディランでLIVEをやってくれた。
今までロックのおかげで、たくさんの夢がかなったが、まさかこんな夢まで叶うとは想像もできなかった。
あの頃の自分に聞かせても、きっと信用しないだろう。
ロック・ピープルに奇跡はつきものだと、ジョン・レノンは言った。
ジョン!また奇跡が起こったわ!
ロック万歳ってな気分だ。


hello自主レーベル「Hello」から、New Album「Hello」を発表したローリング・ピアノマン「リクオ」が、今年もやってきた。
新しいアルパムのコンセブとは、ずばりPop!
リクオが今まで聴いてきた、数多くのPop Musicに対するリスペクトがたっぷり詰まった弾けるような一枚だ。
前作「Hobo House」は、自然の中に流れる風のような優しいイメージのアルバムだったが、今作は街の雑踏の中を踊りながら、駆け抜けているような華やかなイメージであふれている。

MCで言っていたが、リクオがディランに来るようになって、今年で18年だという。
hobo-house移転する前の狭い店にエレピを置いて、ライブしていたのがついこの間のようだ。
「移転したら、リクオのために必ず生ピアノを入れるわ」といったら、嬉しそうに「ほんまですか!」と喜んでくれた。
スケジュールの都合で、このピアノの演奏第一号は、シカゴのブルース・ピアニスト「アリヨ」に譲ってしまったが、それからはずっとリクオがこのピアノを弾いている。

このあいだのライブでも、いかにもリクオらしい軽やかで、跳ねまわるようなピアノが聴けた。
一曲目「マウンテン・バイク」の歌詞のように、♪ 歳食うほどに ハメ外し 図に乗り 近頃煮詰まりだしてる世界 ♪ を、笑わせてくれた。
P1090491新しいアルバムからもたくさんの曲を披露してくれたが、前に進むことだけじゃなく、振り返ることも大切だという「Look Back」は心に沁みた。
ポジティブに肩を抱き合って、さぁ歩こう!みたいな人生応援ソングばかりがやかましい世の中で、立ち止まろう、うしろを振り向こう 残してきた足あとにたくさんのヒントが転がっているはず、と歌う。
なにもかもなかったことにされてたまるか!という気持ちは、「ありがとう サヨナラ原子力発電所」にも通じるリクオからのメッセージだ。

最後はリクオの原点ともいえる、清志郎との共作「胸が痛いよ」をお客さんのリクエストに応じて歌ってくれた。
今はいない清志郎の姿が、浮かび上がってくるような名演で、ライブは終わりを告げた。
二年後は、リクオがディランに来てから20年。
なにか楽しいイベントでもやりたいものだ。
それまでお互い元気でいようぜ!

kyan10ケーヤンにいわせると、通算四回目のディラン、ハーベストを入れると五回目の芦別でのライブになる。
ウルフルズ活動再開後の忙しいスケジュールを縫って、小さな町を廻ってくれるのはありがたいことだ。
ましてそのツアーにディランを入れてくれるなんて本当にありがたい。
今回は札幌、芦別、釧路、利尻の4カ所
北海道縦断というか横断というか、すさまじい移動距離だ。
しかも、マネージャーもローディーも付けずのまったくの一人旅。
ツアー・タイトルどおりマジカルなつながりを求めての、春のひとり旅だ。

前日はピーカンのいい天気だったのに、この日はシトシトと朝から雨。
晴れ男のケーヤンにしては珍しいと思っていたら、リハが終わる頃には晴れ間も見え出した。
kyan11さすが筋金入りの晴れ男。「まいどハッピー」な気分になってくる。
G.Wのど真ん中とあって、地元のお客さんより地方からのお客さんが多い。

今回は予約してあった旅館の不手際から、宿泊が急にスターライトホテルに変更。
リハが終わり、一度ホテルに戻ってから、またディランに戻ってのライブになる。
これらの送迎は、ハーベストの最高責任者?ダーニシこと西田がすべてやってくれた。
ってことで、楽屋もないので裏の駐車場に停めた車が楽屋代わり
用意ができたってんで、SEを流すとあわてて走ってくるケーヤンの姿が窓からしっかりと見えて、みんな大爆笑。
そんな和やかな雰囲気の中で、いつものように笑顔のあふれるライブは始まった。

「忠さんの顔を見るとなぜかやりたくなる曲があるんです」というので、「なんだべか?」と思っていたら、マジカル・チェインのアルバムにも入っているリクオの曲「アリガトウ サヨナラ 原子力発電所」だった。
どの曲も胸にビンビン響いたが、この曲はことさらグッと来たなぁ。
音楽ってのは、言葉以上のものを伝えることが出来るもんなんだとあらためて思わされた。

kyan12

まさにソウル・トゥ・ソウル・・魂から魂へ直接飛び込んでくる熱い想いを感じた夜だった。
大盛り上がりの中、ダブル・アンコールの最後の曲は、「ミュージック」。
♪ Oh Music いつだって 見たいのは 君のその笑顔。
サンキュー!Mr スマイル!今回も熱い夜をありがとう。




P1040684ついこのあいだのようだけど、三宅伸治のライブから早くも一週間が過ぎた。
ライブに来たお客さんからもたくさん「楽しかった」という声をいただいた。
で、4/2は清志郎の命日
三宅さんは毎年「感謝の日」というタイトルで、たくさんのゲストを招いてライブをやっている。
今年は前日の4/1に、「ひとり前夜祭」というイベントで、清志郎との思い出をじっくりと語りながら、一緒に作った曲などを歌うイベントも行った。
三宅さんにとって清志郎という存在は、いくら感謝しても足りない存在のようだ。
われわれにとっては、三宅さんもいくら感謝しても、し足りない存在だけどね。
なにしろこんな田舎のライブハウスに毎年のように来てくれるんだから。

そういえば、このあいだのライブで初めてディランに来てくれた東京のファンの女性が、この当日のライブのセットリストを残しておいてくれた。
せっかくなんで、ここに載せておきます。

P1090460▶三宅伸治 Key To The Highway ツアー 2016.3/27(sun) 芦別ロックハウス・ディラン◀

MY BABY

It's Allright(いつもオーライ)

はじめぼくはひとりだった

Sweet Home Chicago ←リクエスト

ひとつづきの夢

Just A Gigolo-I Ain't Got Nobody

634-5789

It's Allright(僕らは歳をとり)

ノックが聞こえる

新フェニックスマン

やぁ~
デイ・ドリーム・ビリーバー

The Weight

月がかっこいい

ベートーベンをぶっ飛ばせ

JUMP
en1

R&Rの時間

雨あがりの夜空に
en2

何もなかった日

たたえる歌

さすがファンですね〜。
おまけといっちゃなんですが、当日の動画もアップしときます。



やっぱりロックはいいねぇ~。

go今のところミヤネ様からの苦情もないようなので、号泣謝罪会見はしなくてもすむようだ。
考えてみりゃいやな奴の話をするより、好きな人の話をするほうが格段に気分がいいってのはわかってはいたが、このあいだからの不倫問題などで、少しムカついていたかもしれない。
人のことはほっとけ!っていっといて、ミヤネの悪口を書くなんざ、言行不一致の極み。
心から深く反省いたします。
これからも低レベルな話題をお茶の間に提供し続けてください。
こちらもなるべく目に入れないように致します。

ってなことは、もうそっちに置いといて、27日の三宅伸治のロック・ショーには大いに興奮させていただいた。
今さらながらロックはいいねぇ。
スカッとして酒も旨いわ。
shin1602今回も道内外から大勢のお客さんが来てくれて、満席の大盛況。
ツアー・タイトルは「KEY TO THE HIGHWAY」。
今回は独自に「ハイウェイの鍵を手に入れて、一緒に旅にでよう」というサブタイトルを付けさせていただいた。

作者はビッグ・ビル・ブルーンジーともジャズ・ジラムともいわれているブルースのスタンダード・ナンバー。
訳詞とはちょっと違うが、なぜ三宅さんがツアータイトルにしたのかを考えていたら、このフレーズが浮かんできた。
するとライブのMCで三宅さんが「コレがまさに!俺が言いたかった事、そういう事なんです。さすが!ディランマスターですね」といってくれた。

shin1604二度のアンコールを含む全20曲の熱いライブが終わり、その余韻を残したまま怒涛の打ち上げへ突入。
ほとんどのお客さんが残って、打ち上げも満席状態
ツアーの最終日だったせいか、珍しく三宅さんも日本酒を飲んでごきげんの様子。
ファンの人達もほろ酔いの三宅さんからふだん聞けないような話をたくさん聞けたようだった。
楽しい時間はあっという間に過ぎて、気がついたら朝の四時を回っていた。
名残惜しいが、またの再会を約束して別れた。

9/11には三宅さん主催の野外ライブ「希望と太陽のロックフェス(リンクは2015)」が宮崎で開催される。
今年こそはなんとか都合をつけて行きたいもんだ。
2015ロック1(1)

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