泥酔亭の成り行き日記

カテゴリ: 旅行

P5100063夫婦で初めて遠くへ旅行に行ったのが、沖縄本島と久米島だった。
二人とも北海道の内陸で生まれ育ったため、海には強いあこがれがある。
しかもそのとき見た久米島のさらに離島「はての浜」の、この世のものとは思われないコバルトブルーの海と白い砂浜にぶっ飛び、すっかり沖縄にハマり、本島を素通りしては、石垣島、西表島、竹富島、座間味島、黒島etcと島巡りのようなものをしてきた。

その沖縄の島々の中で一番のお気に入りは、なんといっても宮古島だった。
今のようにそれほど開発も進んでいない頃はあちらこちらに、なんとものどかな風景が残っていて南国特有のゆったりした空気が流れていた。
池間島、来間島の二島を結ぶ長い海中道路
P7090076そして小石ひとつ持ち込むことも持ち帰ることもしてはいけない神秘の島「大神島」
以前はフェリーでしか渡れなかった伊良部島にも、つい最近3540mという日本一長い海中道路が完成した。
行くたびに、島はどんどん様変わりして、今ではすっかり昔の面影のない都会的な島になった。
しかし「宮古ブルー」といわれる海の青さはまったくかわりがない。

で、今年の旅行もとうぜん宮古島が候補に挙がったが、いつも出かけるG.W明けは、どうも梅雨に入りそうだってんで、ほかの場所を探すことにした。
それで次に候補に出たのが「奄美大島」
PA180024ここはなかなか安い航空券と乗り継ぎのにいいのがなく断念。
マダムのいつものリクエスト「離島」と「青い海」を満たすところはどこかにないかと、格安航空チケットと地図を眺めながら、次に浮かんだのが「五島列島」
ここならばふたつの条件を満たしているし、長崎からの連絡もいい。
しかも海の美しさは折り紙付きだ。

ではここに決めようと、五島列島の情報を集めたり、チケットを検索したりしていた。
五島列島の特徴はなんといっても天主堂といわれる教会群
キリシタンの遺跡であふれている・・・が、マダムはキリスト教にはさっぱり興味がわかないそうだ。
P1010924以前奈良県吉野の「天河神社」に行ったときに味わった神秘的で荘厳な雰囲気のせいで、どちらかというと神社に興味がある。

ならばってんで次に探した結果が長崎県「壱岐の島」
ここは神社庁登録の神社だけでも150社もあり、「日本神道発祥の地」ともいわれている。
大小合わせれば1000社を超える神社が点在している神社の島だ
中には大神島のように小枝一本持ち帰ることも許されない「小島神社」という所もある。
海の青さもまったく申し分ない。
ってなことで、今年の旅は長崎から壱岐の島で決定!!

あとは筋金入りの雨女であるマダムの精進にかかっている。
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sp-061758100s1507281704静岡最後の夜は、どんなところがよかろうかとネットで色々調べてみた。
浜松はけっこうな都会なので、「きふね」のような路地裏の店を探すのも難しそうだ。
一日目の「WASABI」もよかったが、もう少し肩の張らないところで飲みたいものだ。
そこでアンテナに引っかかったのが「六文銭」という居酒屋。
口コミにも、清掃も行き届いていて(重要)、ひとりでも落ち着ける気楽な店と書いてある。
ま、食べ◯グの口コミを真に受けるわけじゃないが、はずれだったら少し飲んで別の店を探せばいい。

ってなことで、いよいよ本降りになった浜松の町を「六文銭」に向かった。
P_20171018_204018歩いてみると、なかなかに距離があり、マダムも「まだ?どっか近いところにしよう」なんて言い出したころ、ようやく「六文銭」に到着。
ちょいとレトロな外観は若い頃に働いていた居酒屋を彷彿とさせる。
いまこのタイプの居酒屋はあまり見かけなくなったが、その当時は「養老乃瀧」や「赤ちょうちん」チェーンなどでそこらへんにあった。
中に入ると、まるでタイムスリップしたかのようにアノ雰囲気が充満している。

P_20171018_204833けっこう広い店内は間仕切りはあるが、いま流行りの個室なんてものはなく、店中の会話が筒抜けだ。
かなり混んでいたので、入口近くのカウンターに座り、まずはビールとハイボールで乾杯。
店の中を忙しく行き来する従業員はみんな男ばかり
目の前で焼き物をしている人が大将らしい。
マダムが目ざとくメニューの中に「鰻の肝串」を発見して喜んでいる。
どれだけ好きなんだか・・・。
「つぶ焼き」「鰹のたたき」「里芋の唐揚げ(絶品!)」なんぞを頼み、マダムはホッピー、こちらは冷酒に移る。

P_20171018_203138途中、大将と話をしたところ、この大将プロ野球の選手だったということだ。
あとから入ってきた女性たちが「ええっ!本人ですか?」なんて言ってたところをみると、かなり名の売れた人だったようだが、ウチらはふたりともまったくの野球オンチ。
店のあちこちにも有名選手のサインが貼ってあり、近くへ来ると顔を出すそうだ。
どおりで従業員の態度や店の雰囲気が体育会系っぽいわけだ。
酒の揃えもいいし、アテも旨い、大将や従業員はきさくで気取りがない。
静岡最後の夜は、ここ「六文銭」で大満足

三途の川の渡し賃といわれる「六文銭」で、極楽往生いたしました。
5日間の旅行で晴れたのが半日という、珍しい雨の旅だったが、あれやこれやと心に残るいい思い出ができた。
いずれ雪化粧をした富士山を見に行こうと心に決めて、浜松の夜は更けていった。

富士山までのはるかな旅、これにて一巻の終わり!

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IMG_1340たとえ二時間弱とはいえ念願だった富士のお山も見ることができ、荘厳なる白糸の滝も拝むことができた。
あとは浜松に戻るだけだが、その前にもう1ヶ所寄らなければいけない大事な場所があった。
それは駿河国一の宮「富士山本宮浅間大社」
御祭神は浅間大神、木花之佐久夜毘売命(このはなのさくやひめのみこと)
富士宮に来て、というより静岡に来てここを参拝しない訳にはいかない。
ってんで、ナビに導かれて浅間大社に到着。

富士山は雲に隠れてしまったままだが、天気は上々。
本殿でお参りをすまし、湧玉の池を散策。
本来ならばここからも富士のお姿が拝めるらしい。
脇にある水汲み場で、ペットボトルに御神水を入れて、ついでなので湧玉の池の水も飲んでみる。
マダムは「大丈夫?」なんて心配していたが、なに天下の霊峰富士山の伏流水、腹なんぞこわすはずがない。
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1508314459330-3fe2fe516df0aeb2-3fc45bee9097d768P_20171018_170209すっきりしたところで、一路浜松へ向けて国道1号線をひた走る。
焼津を越えるあたりから曇り出し、大井川を渡る頃には、雨がポツポツと降り始めた。
とくに何時まで行かなければいけないということはないので、浜松の手前の磐田市にある「しおさいの湯」という温泉に寄ることにした。
海辺にあるので、波の音を聞きながら露天に浸れるというのがウリだ。
・・・が、あいにくの雨でとても露天には入ることができなかった。
温泉で疲れを取り、富士山サイダーを飲んで浜松のホテルへ向かった。

ところが時間帯が悪かったのか、国道1号線に出る道は大渋滞
ふだん芦別に住んでいると、絶対に渋滞なんぞに遭うことはないから貴重な体験ともいえるがすぐ目の前にみえている国道1号線になかなか合流できない。
脇道から回り込もうとしたが、結局同じことだった。
しかたなく流れに任せていたけど、あれはどうにかした方がいいんでないの?静岡県!

で、やっとのことでホテルに到着。
さて静岡最後の夜、どんな店がわれわれを待ち受けているのか。
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P_20171018_074226「明日は晴れるよ」という「きふね」の大将の声に送られて、三島の夜を後にした。
静岡の地酒とは相性が良いのか、あれだけ呑んだのに、ほとんど二日酔いもなしに目が覚めた。
カーテンの隙間から覗くと、予報通りしっかり晴れている
でかした気象庁!・・・って別に気象庁が晴れさせてくれたわけではないが・・。
が、この部屋の窓からは、富士山らしきものは見当たらない。
で、朝飯を食おうと廊下に出て、反対側の窓を見たら、そこには雪こそないものの夢にまで見た富士山のお姿。
やっとのご対面!
それにしても想像を超えるデカさ。
手前の山と見比べてると、どうにもスケール感が狂ってくる。
いわゆるケタが違うって感じだ。

そのうちマダムも廊下に出てきたので、「ほら、窓から見えるぞ」というと、「えーーっ」と覗いてひとこと「なんで雪ないの?」。
「富士の万年雪」というので、いつでも雪を頂いたあのお姿だと思っていたらしい。
とにかく早いところ飯を食って、富士山に向かってGO!
ってことで、チェックアウトをすませて、白糸の滝のある富士宮へ向かう。
途中「裾野市」「富士市」と近づくたび、目の前の富士山がどんどん大きくなっていく。
近づくほどその巨大さに驚かされる。
このどでかい山が、つい三百年ほど前噴火したってんだから、さぞ恐ろしかったことだろう。
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IMG_1322と富士山に見とれていたら、どんどんと雲が湧いてきて、富士宮に着いた頃はすっかり姿を隠してしまった。
3日間待ち続けて、ご対面はほんの二時間弱
まさに幻の霊峰だ。
しかも運転していたおかげで写真を一枚も取ることができなかった
あるのはホテルの窓から撮った一枚だけ。
で、「白糸自然公園」なるところに車を停め、案内板に従って滝の方へ向かった。
・・が、公園内には滝はなく、およそ二キロほど離れている。

最初は「晴れているから、それぐらいかえって気持ちが良いんじゃないの?」というマダムのお言葉で歩き始めたが、その遠いこと遠いこと
滝の音が聞こえる頃には2人ともへとへとになってしまった。
ところが橋の手前を下って、滝を見たとたんいっぺんに疲れも吹っ飛んだ。P_20171018_110039
「白糸の滝」ってぐらいだから、ほそぼそとした年寄りの小便のようなのが、何本か流れてるんだべ・・ぐらいに高をくくっていたが、目の前のそれの荘厳なこと。
しかも水しぶきが太陽の光で虹色に輝いている。
薦めてくれた「きふね」の大将に感謝!

川の縁まで降りて、水をすくって飲んでみたが、その透き通った味はまさに甘露。
展望台に上がって写真を撮ったりしたが、本来ならこの滝の向こうに富士山が鎮座ましましているはず。
なんとも悔しいが、晴れていれば、忍野八海や富士五湖、三保の松原など行きたいところはたくさんあったので、いずれ近いうちにリベンジすると固く誓った。

さて今日中に浜松まで戻らなければいけないので、後ろ髪を引かれながら白糸の滝をあとにした。
またもや時空の狂った国道1号線を走らなければいけない。
今度は何時間かかるものやら・・・。
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P_20171017_145125ウイスキー見学を終え、道の駅で土産物を買い込んで、三島へ戻る途中雨が上がって、少し日が差してきた。
スマホをいじっていたマダムが「あ!明日の予報が晴れに変わっている」という。
たしかに今までずっと傘マークだったのが、晴れ時々くもりに変わっている。
喜び勇んで、三島田町の駅前に車を停めて、食事できるところを探していたら、偶然三嶋大社の入口に出た。
こりゃあ明日の天気のお礼をしなきゃならんと、昨日とは反対側の入口から境内に進んだ。
ふと拝礼門の脇を見ると、なにかしめ縄を張った不思議な木がある。
近くに行ってみると、まるで小さな腕が2本生えているような姿で、お神酒などが供えられている。
あとで調べたところ、「三島七木」とやらの最後の生き残りのクスノキで、最近パワースポットとして注目を集めているという。
たしかになにやら荘厳な雰囲気を醸し出していた。

参拝の後かるく昼飯をすまし、土産物などを荷造りして宅配で送り、少し休憩をして今夜の酒場を探しに出た。
ここ三島もご多分にもれず、駅前は全国チェーンの居酒屋が軒を連ねている。
呑んべえにとってはなんとも味気ない風景が、日本全国あちらこちらで広がりつつある。
もちろんそういうところには見向きもしないで、いくつかある路地を散策。
cimg9579昭和の香りのする路地を歩いていたら、小さな店の中から大きな笑い声が聞こえてきた。
窓からちょいと覗くと、白髪頭の大将とお客さんが談笑している。
店名は「きふね」
カウンターの上には「開運」などの静岡の地酒も並んでいる。
で、笑い声に誘われて今夜の酒場はここに決定。

店内は狭くカウンターだけで、おやじさん一人で切り盛りしている。
カウンターには常連さん出張できたという若者が座っていた。
カウンターに並ぶ地酒を見ると、呑んだことのない銘柄がいくつかあったので、そのうちの一つを注文。
「身上起(しんしょうおこし)」という縁起の良い銘柄で、大将に言わせるとここらあたりにしか出回っていないという。
付きだしに出たいわしの酢漬けが美味しかったので、聞いてみると若いころ京都の料亭で修行していたという。
メニューもなにもないので、おまかせで焼き物を注文すると、甘鯛を焼いてくれた。
その塩加減も絶妙で、かなり期待が持てる。

P_20171017_204154P_20171017_213541常連さんと出張で来た兄ちゃんと、馬鹿話しながら飲んでいたが、その二人が帰るとまた飛び込みで出張の一見さんが入ってきた。
聞いてみると、結婚相談所の社長だという。
すっかり打ち解けて、起業するまでの苦労話やら、家庭のゴタゴタなどといろいろな話しで盛り上がった。
そのあいだマダムは、金目鯛の昆布締めやらなぜかイカ焼きやらを頼んで、ぐいぐいメーターを上げていた。
そのうち「大将のこれ!っていうのを出して!」なんて威勢のいいマダムのリクエストに答えて出てきたのが鮑のステーキ
次の日に「お会計、結構な値段だったね」なんて言ってるから「鮑のステーキなんぞ食べればあれでも安いほうだろ」というと、まったく食べた記憶がないという。お気の毒に・・・。
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大将が「明日は晴れるようだから、ぜひ白糸の滝に行ったらいいよ」という。
まるで予定には入ってなかったが、地元のご意見に従うことにした。
その後も仕込みから、びん詰、ラベル貼りまでみんなひとりでやっているという貴重な地酒「H morio」なんてのも呑みながら、結婚相談所の所長らと記念撮影して、三島の夜は更けていった。
マダムもへろへろになったことだし、今夜もここ「きふね」一軒でお開き!
いいお店だったわ。
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さあ明日こそは富士山とご対面だ!

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