泥酔亭の成り行き日記

カテゴリ: 旅行

P_20160912_210959ふだんは不信心のくせに、奈良の天河神社を訪ねて以来、神社の佇まいが好きになり、旅に出るとその土地の神社を見て回るのが恒例になってしまった。
ってなことで、ここ宮崎でも、鵜戸神宮、青島神社、宮崎神宮と三社を廻った。
レンタカーを返却し、いったんホテルに戻って、宮崎最後の夜を楽しむべく、雨上がりのニシタチへ出かけた。
目指す「北のきつね」は、まだ開いてないかもしれないってんで、軽く居酒屋で底を入れとこうと、近くの「たちばな水産」なる店に飛び込んだ。
ここがまた大当たりで、酒も大好きな「黒龍」や「五凛」なんぞも揃っている。
が、やはりここは地元宮崎の酒でいってみようってことで、日向灘の活鯛の刺し身や、サザエのつぼ焼きなんぞを肴に「千徳」「菊初御代」をいただく。

カウンターの向こうにいる坊主頭の従業員が、「どちらからいらしたんですか?」と聞くので、「北海道から希望と太陽のロックフェスに行くためにきた」というと、びっくりしていた。
P_20160912_203546「ディラン」というライブ・バーをやっているというと、自分の名札を指さしたので見ると、そこには「ボブ」と書いてある。
「海外からの出稼ぎか?」というと、生粋の宮崎っ子だという。
これもなにかの縁なので、「北海道に戻ったら、糠サンマ送ってやる」という話になった。
案の定、糠さんまや糠にしんのことは知らなかったようで、「どんな味かまったく想像がつきません」といっていた。
もしかすると、今ごろニシタチあたりに密かな糠さんまブームが起こってたりして。
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P_20160913_000046もう頃合いもよかろうってんで、ボブに別れを告げて「北のきつね」に入店。
こぢんまりした清潔感あふれる店内には、割烹着姿の女将さんと、娘さんがいた。
O浦くんとのいきさつを話し、芦別から来たというと、喜んで歓待してくれた。
おとなりの常連さんから、北海道では見かけない芋焼酎「木挽ブルー」なる酒をすすめられて飲んだが、蕎麦焼酎で有名な雲海酒造が作っているだけあって、あっさりと飲みやすい。
おつまみも北海道のものが多く「ししゃも」「鮭とば」「ホッケの開き」のほかにも「ジンギスカン」まであるには驚いた。
わざわざ松尾ジンギスカンから仕入れているとのことで、松尾の社長さんがお礼に来たこともあるといっていた。
女将さんは、野花南の出身で、二十代前半にこちらに来てそれからずっと宮崎に暮らしているという。

落ち着いた雰囲気の中で味わう、美味しい酒と料理と会話は格別で、宮崎最後の夜にふさわしい時間を過ごすことができた。
ゆったりと落ち着いた風情の町、宮崎。
ぜひまた訪れたい町だ。
今度は必ず高千穂峡に行くぞ!
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ってことで、なんとか今年中に書き終えることができた。
さて来年はどこに行ってみるべか?
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epo7738910754一晩中降っていた雨は、朝になってもまだ降り続いていた。
だが今日は宮崎滞在中唯一のレンタカーでの観光なので、少々の雨でも心配ない。
おまけに今回のレンタカー業者は、ホテルまでの送迎付きなので、昨日のように歩くこともない。
迎えに来てくれた人に「高千穂峡まで行くとどれぐらい時間がかかりますか?」と聞くと、片道3時間以上はかかるというし、車を降りてからも歩くことになるので、この天気だとよした方がいいという。
雨の高千穂峡もそそられるものがあったが、根が貧乏性なので、高千穂一ヶ所に絞るより、あちこちを見物しようということになった。

P_20160912_105441まずは、お客さんから「是非に!」と薦められていた「鵜戸神宮」を目指すことにした。
車で町を抜けると、左側には雄大な日向灘が広がり、往年の新婚旅行のメッカ日南海岸が見えてきた。
途中から雨も上がり、太陽も顔をのぞかせはじめた。
鵜戸神宮は、海岸縁にある天然の洞窟の中に本殿があり、参拝するには長い石段を下っていく、神社としては珍しい「下り宮」になっている。
海の方に目を向けると、珍しい形をした岩がたくさんそびえている。
境内には優勝したばかりの広島カープの歌が流れていたが、ここ日南はカープのキャンプ地でもあるそうだ。
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P_20160912_121009で、お参りを済ませたあと、昨日は行けなかった青島神社へ向かった。
車に乗るとパラパラと降りだすが、降りる頃には雨は必ず止む。
どうやら、日向の神様たちには嫌われてはいないようだ。
青島神社は文字通り、岸から離れた小島にある。
いまは橋をわたって参拝するが、その昔は船で渡ったそうである。
しかも江戸時代までは、一般人は禁足地として上陸を許されていなかったという。
本殿の奥に元宮という本来の社地があったが、鬱蒼とした森の奥で、皇族が深夜に祈りを捧げていたとか。
古代の信仰の原型が見えてくるような不思議な空間だった。
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P_20160912_121934島へ渡る途中の奇岩「鬼の洗濯岩」を眺めながら、小さな商店街を散策して宮崎市街に戻り、ものはついでってわけでもないが、宮崎神宮にも参拝した。
祭神は神日本磐余彦尊(かむやまといわれひこのみこと)、いわゆる神武天皇だ。
神武天皇というと、奈良の橿原神宮が有名だが、ここは神武東征以前に宮を営んでいた地ということだ。
地元でもこの神社は「神武さま」と呼び親しまれているという。
社殿も神宮の名にふさわしいそれは立派な風格のある姿をしていた。

さて、ここまで念入りにあちこちお参りをすれば、無病息災、商売繁盛、夫婦円満、家内安全、大願成就、開運招福まちがいなしに違いない。
さ、今夜はO浦さんに紹介してもらった居酒屋「北のきつね」で直会といってみっか!
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P_20160912_182427某ホテルから勝手にお借りした傘を差しながら、雨のニシタチをぶらついていたら、ふとギネスビールの看板が目に止まった。
ふだん旅先じゃ居酒屋ばかりだが、ここはひとつシャレオツに、アイリッシュ・パブといってこましたろか。
といっても、英国式パブとちがって、肩肘張らないのがアイリッシュ・パブ。
さしずめあちらの居酒屋ってわけだから、気楽に飲める。
マダムが近頃口癖のようにつぶやく「アヒージョ」なるものも、メニューにあるらしい。
アヒージョがあるってだけで、マダムはすっかり乗り気である。

fast-food_2それにしても、日本人ってヤツぁよくぞこうも次から次へと目新しい食い物に飛びつくね。
米原万里さんがグルメ・ブームのことを「まるで発作のようにどこか落ち着きのない」といっていたのが、わかる気がするわ。
イタメシとか言ってパスタやピザを喰らってたと想えば、韓国料理にのめり込んで、お次は地中海料理ときた。
で、その合間には、おフランスや中華も食い漁り、もちろん自国においては一流料亭から田舎料理、山の手から下町料理まで満遍なく食いまくっている。
食も文化だってぇのには異論はないが、少しは落ち着いて味わえよと言いたくなる。
おれたちが子供の頃はなぁ、毎日煮しめと漬物と納豆と・・とまぁ、歳を取ると自分を棚に上げて、ささいなことにも小言を言いたくなるらしい。

で、この小洒落たアイリッシュ・パブに入って勢い込んで「アヒージョ!」とオーダーしたマダムを待っていたのは、店員の「本日切らしております」の無情なお返事。
20160914192024マダムのテンションが一気に下がっていくのであった。
ま、こちとらアヒージョがなかろうが、あしたのジョーがいなかろうが、旨い酒がありゃあ文句はない。
ふだんここいらじゃお目にかからないキルケニーやらマーフィーの黒ビールをおいしく飲ませていただいた。
つまみにもらったシーザー・サラダや薄焼きピザ、海老のフリッターなんてのも大変美味しゅうございました。
それにしても、ここ宮崎ってぇのは、なんとなく落ち着きのある町ですこと。
町中にのほほんとした空気が流れている気がする。
三宅伸治さんのライブ・スタイルのベースがわかったような気がするね。

ひとしきり飲み喰いして、腹も肝臓も落ち着いたことだし、本日はこれで潔く退散することにした。
なにしろいろんなことがありすぎて、おつむも体も満タン状態だ。
それにしても、よく歩いた一日だった・・・。

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bouhan_img1202_01それにしても一年の経つのが早いこと早いこと。
この宮崎の旅日記も早いとこ書き終えないと、歳をまたいでしまう。
ティーチャーでさえかけずり回るほどの慌しい年の瀬に、だれが読んでいるかわからないブログを書いている場合でもないんだが、このまま尻切れトンボってのも後味が悪い。
宮崎行きのメイン・イベントでもある「希望と太陽のロックフェス」さえ書き終えれば、あとはいつものダラダラ旅行記だ。
ってことで、駆け足でいってみよう!

ろくに手伝いもしないのに成り行きで、厚かましくも集合写真にまで収まってしまった。
あとはドサクサに紛れてここから去るのみだ。
・・と、人混みの中を出口に向かっていたら、なにやら見たことのある顔が・・・。
お互い顔を合わせて「おおっ!」と手を取り合った。
数年前、ディランにご夫婦で遊びに来てくれた、三宅さんのファンのO浦さんではないか。
そうだ、彼らも宮崎に住んでいると言っていた。
「ウチの奥さんがディランのマスターに似た人を見かけたっていうから、まさかと思って探していたんです」という。
O浦さんの奥さんのお母さんがじつは芦別出身なのだ。
それで以前法事に来た時に、ディランに寄ってくれたのだった。
子どもを抱えた奥さんとも合流し、三宅さんたちも交えて、ひとしきり再会を喜んだ。
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だが、こうしているあいだにも終電の時間は刻々と迫っている。
後ろ髪を引かれる思いで、別れを告げて、玄関へ向かった。
外の雨はさっきよりずっと強くなっている。
maxresdefault駅まで濡れていくしかないか・・と、ふと見たら、宿泊客用の貸傘が目に入った。
一度は泊まろうとしたホテルだし、いつかまたお世話になった時に返せばよかろうってんで、ひとまず拝借することにした。
係員の不審な目つきをやり過ごして、相合傘で逃げるようにして駅へ向かった。

暗い雨降りの道を歩いていると、うしろからやってきたワゴン車がわれわれの前で止まった。
高級ホテルのくせに、貸傘一本に追手をかけるのかと思ったら、さきほどのO浦夫妻で「宮崎の町まで送ります」と言ってくれた。
縁というものはまったく不思議でありがたい。

O浦さんのいうには、奥さんのお母さんがニシタチの繁華街で居酒屋をやっているという。
今日日曜日は定休日なので、明日ぜひ行ってみてくださいといわれ、その店のあたりまで送ってくれた。
ホテルでおろしてもらおうかとも思ったが、考えてみりゃあ、ライブが終わってからまだおつかれさんの乾杯もしていない。
O浦夫妻と再会を約束して、最初の一杯を呑める店を物色することにした。

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201-206-04いよいよ怪しくなってくる空模様の下、電車は青島駅へ向かってひた走る。
「ホテルの中庭で・・」というメールだったが、考えてみるとそのホテルさえどこかわからない
しかもメールも電話もあいかわらずつながらないときた。
会場の近くに、いかにも!という感じのどでかいホテルがあったが、おそらくそれであろうと今は思うしかない。
とにかく、最終電車の時間を確かめながら、あまり深く考えないことにした。

0845000100128さて、電車は無事青島駅に着き、暗い夜道を目星をつけたホテルに向かって歩き出した。
遠くから見ても、豪華だったが、入り口を見るとさらに豪華な佇まいだ。
耳を澄ましてみたが、賑わっている声も聞こえてこない。
とにかく中に入ってだれかに尋ねればいいやってんで、警備の人らしきおじさんがいたので、「中庭で焼き肉をやってると聞いてきたんですが・・・」と聞くと、怪訝な顔つきで「焼き肉・・・?」と、知らないご様子
やはりこのホテルじゃなかったか・・と思ったが、「あのドアの向こうの庭園の奥に、焼肉ガーデンがあるから、そこでやってるのかなぁ?」というので、ダメ元で行ってみることにした。
その庭園ときたら広いのなんの、しかも噴水で周りの音もよく聴き取れない。
迷いながら明かりの付いている方へ、向かって行くと、大勢の集団が焼き肉らしきことをやっている。

喜んで、人混みの中へ入っていったが、ごった返しで肝心な三宅さんもケーヤンも見当たらない
おまけにポツポツと降りだした雨もだんだん強くなってきた。
スタッフの人が「中に入ってください!写真を撮りますよ」ってんで、人の波にもまれてどさくさまぎれに中に入った。
するとそこで三宅さんを発見!
地獄で仏・・・いや極楽で仏たぁこのことだ。
「ステージから忠さん、見えましたよ。来てくれてありがとうございます」と、暖かく迎えてくれた。
ケーヤンもいたので、あいさつすると、知らなかったようでびっくりしていた。

P_20160911_215346そこでケーヤンが「だれかに紹介します」といって、大竹しのぶさんや山崎まさよしさんを連れてきてくれて、一緒に記念撮影。
すると「集合写真を撮ります」というので、脇にどけていようとしたら、またまたケーヤンに「ぜひ一緒に写ってくださいよ」といわれ、スタッフでもないのに厚かましくも、列に並んだ。
しかも前列のあたりのかなりいいポイントにしっかりと収まってしまった。

こうしてドタバタと始まった一日は、最後までドタバタと過ぎていった。
ひとまず山崎まさよしさんや浅野忠信さんにディランの名刺を渡し、「今度ぜひ!」と声だけはかけさせていただいた。
さていよいよ強くなる雨の中をまたまた宮崎まで戻らなきゃ・・・。

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