泥酔亭の成り行き日記

カテゴリ: イベント

P1090687ディランにおける今年の初夏の2大イベント遠藤ミチロウ、中村達也によるアコースティック・パンクユニット「Touch Me」、江戸落語の本流「柳家さん生落語会」
どちらも超満員の大盛況で幕をとじた。
TouchMeの方はコアなパンクファンが道内のあちこちから集まってくれたのに対して、柳家さん生の方は市内のお客さんがほとんどを占めた。

スターリンの4代目ドラムをつとめた中村達也の演奏は、前評判をはるかに超える強烈なもので、ミチロウさんとの魂を削るような瞬間瞬間には戦慄をおぼえるほどだった。
ミチロウさんも、あと数年で古希を迎えるとは思えないエネルギッシュなパフォーマンスを見せつけてくれた。
P1090688しかも数年前から「全身性エリテマトーデス」という難病に冒され、股関節が壊死しかけているというのに、それをまったく感じさせないライブだった。
30年以上もライブをやってきて、たくさんのライブを体験してきたが、この夜のライブは間違いなくベスト3に入るすばらしさだった。
もちろんお客さんにもそれは伝わり、熱狂と興奮の夜になった。

そして昭和の大名人五代目柳家小さんの流れをくむ本格派柳家さん生の落語会。
イベントが目白押しの芦別だったが、この日も超満員のにぎわい。
去年札幌のライブハウス「ファッジ」の原崎さんから紹介されて、今回で二回目
噺の中でも言っていたが、遊郭吉原では最初を初会、二度目を裏、三度以上からなじみという。
今回は吉原流に言えば「裏」にあたる。
Nさんが年に一度やっていた「三遊亭小円朝を聴く会」が一昨年十回を迎えて終了した。
まるでその跡を継ぐかのように持ちかけられた柳家さん生落語会。
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37299974_1802484533162128_6624975822740520960_n前座を務めたのは去年と同じ唄と三味線の原田一寿
飄々とした唄と三味線で開場を和ませてくれた。
今回さん生師匠が一席目に選んだのは「天狗裁き」
去年と違ってあまり長いまくらは振らず、すっと噺に入る。
亭主が見た夢の中身を女房、隣人、大家、お奉行に執拗に尋ねられる滑稽話だ。
どんどん話しが大きくなっていき、はてには天狗にまで問いつめられる始末。
途中から「ははぁ」と落ちがわかりかけてくるが、そこをテンポよく笑わせながら落ちまで持っていくのが噺家の力量だ。
小気味よくストンっと落としたあとは、中入りをはさんでの二席目は大ネタ「柳田格乃進」
お客さんたちは咳払いひとつせず、噺に入り込んでいた。

この落語会のいいところは、酒を飲みながら鑑賞できることだ。
蒸し暑い日だったのでビールもたくさん出たが、落語のせいかカップ酒も飛ぶように売れた
6時に始まった落語会も打ち上げがハネたのは、夜中の2時・・・。
次の日2人とも抜け殻のようだったのもいうまでもない。

ついでながら、片付けの最中腰をひねって現在も療養中である。
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日本酒c2去る2/17(土)午後七時より、ディランの冬の恒例行事「全国の地酒を楽しむ会」が開かれた。
今回で十二回目になる。
毎回「四国四県味めぐり」とか「近畿、東海の地酒味くらべ」などと地域を決めてきたが、今回は初心に戻って「しぼりたて新酒飲みくらべ」という風にしてみた。
最初は2月はヒマな時期なのと、自分の誕生日もあるため、どうせなら好きな日本酒とそれに合うツマミで一杯やろうというのがそもそもの始まりだった。

最初のころは全国あちらこちらから山海の珍味を取り寄せたり、自分で調理をしたりしていたが、あまりに忙しいので仕出しを頼むことにした。
日本酒の好きな「板垣鮮魚」さんに刺し身を盛り合わせてもらったり、ここ何回かは「仕出しのひる川商店」さんにおつまみの折り詰めをお願いしたりしている。
どちらも芦別の老舗だけあって、お客さんの評判もすこぶるいい。

肝心の酒も北は秋田県から南は熊本県まで十二種類のしぼりたて生原酒。
特別本醸造、おりがらみ、山廃純米、吟醸と種類もバラエティに富んでいる。
DSC_0303今回は珍しく、九州の酒が三種類も入っている。
お客さんが「九州にもこんなに酒蔵があるんだ・・・?」と驚いていたが、何年か前までは焼酎王国鹿児島が日本で唯一日本酒を作っていない県だったが、約40年ぶりに焼酎メーカーが日本酒を作り始めた。
これで北海道から沖縄まで、どの県にも日本酒の酒蔵があることになった。

ってなことで、いつものご常連さんから、初めて参加する人まで、定員いっぱいの27人
いつも思うことだが、酒の種類によって酔い方が違う気がする。
日本酒はなんとも大らかに和やかに酔っていくようだ。
たまたま隣り合った人とも気さくに打ちとけながら、楽しい宴は過ぎていった。
12本の一升瓶はほとんどが空になっていた。

で、陽気な酒呑みたちは三々五々、夜の巷に散っていったとさ・・めでたしめでたし。

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16473214_927186024085317_1249535676923747298_nこのあいだミュージック・ハーベスト2017のミーティングがあった。
スタッフの多くは若手を中心とした顔ぶれだ。
ディランの15周年を記念して開催した一回目が1998年
そのときのサブタイトルは「新しい伝説の始まり」
これは、野外ライブというと必ず引き合いに出されるウッドストックや、中津川フォーク・ジャンボリーなどのイメージから離れ、自由な発想で新しいイベントを作りたいと思ってつけた。
ここから、新しい「伝説」を作るんだという意気込みだった。

それから15年経った2013年に、ディランの30周年記念としてミュージック・ハーベストは再開した。
一回目から15年が過ぎた今、必要なのはやはり若い人たちへの継承だと感じた。
たしかに自分たちには長年培ったノウハウや人脈がある。
しかしそれに縛られて自由な発想ができなくなっていることも多い。
そこで2013年のハーベストのサブタイトルは「時代は変わる」にして、若い人たちを積極的にスタッフに加えた。
そして次の年2014年のハーベストで、ディランとしては、このイベントから一歩身を引くことにした。
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IMGP16732015年
はほとんどを次世代にまかせ、足りない部分をサポートすることに徹底した。
出演者も今までとはガラリと変わり、すべて新しいスタッフたちが決定した。
口や手を出したいのをグッとこらえて、徹底的に裏方に回った。
危なっかしい場面もたくさんあったが、新しい若いスタッフたちは無事にやり切った。
体力も精神も限界をとうに超えていたようだが、やり切ったことで新しい自信もついたことだろう。
反省会のとき、リーダーが「来年一年休んでじっくりと考えてみたい」ということで、2016年は休止ということになった。

そして今年2017年、さんざん迷ったようだが、開催することにしたという。
場所も新たに探し、すべてをゼロから作り上げるぐらいの気持ちでやるという。
ミーティングでも、余計な口を挟まずにずっと聞き役に徹していたが、なかなか斬新な意見もたくさん飛び出して、中身の濃いミーティングになった。
やはり次世代にバトンを渡したことは正解だったようだ。
さて、それが今年どんな実を結ぶのか?
今から楽しみだ。
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P1030130早いもので、「全国の地酒を楽しむ会」も今年で十回目を迎えた。
毎年やりはじめたのはここ五、六年ぐらいだから、足掛け十五年ぐらいにわたって日本全国の地酒を飲んできたことになる。
一度に十二種類の地酒を口にする機会というのもめったにないせいか、毎回多くのお客さんが参加してくれる。
十回ってことは、いままでに120種類の日本酒の味くらべをしたことになる。
それでもまだまだ飲んだことのない酒や、飲んでみたい酒がたくさんある。
日本酒の世界もなかなかに奥が深いもんだ。

P1070306初めて企画したのは、自分の誕生日の2月に、なにかイベントをやろうかと思ったのがきっかけだった。
俗に「ニッパチ」なんぞといって、2月と8月は飲み屋のヒマな時期。
いまさら誕生日祝いでもあるまいってんで、じゃあ逆にお客さんに喜んでもらえるイベントをやろうってことになった。
そこでテーマを決めて、日本酒十二種類を飲みくらべすっぺ!ということにあいなった。
最初はたしか、しぼりたての新酒を飲み比べるってやつだった。
酒も火入れをする前の生酒だとまた風味が違うし、無濾過だったり、おりがらみや微発泡のものもあり、ふだん飲みなれた銘柄でも、まったく別の味わいがある。P1090446

今回は近畿地方二府四県「大阪府」「京都府」「奈良県」「和歌山県」「滋賀県」「兵庫県」からセレクトした。
大阪からは府民に人気の「呉春 本醸造」と「秋鹿 純米 能勢福」。
京都は人気銘柄「まつもと 純米 守破離」と「徳次郎 特別純米」。
奈良県は「梅の宿 純米吟醸 辛(しん)」と「みむろ杉 特別純米 露葉風(つゆはかぜ)」。
和歌山県は「雑賀 純米吟醸 しぼりたて生」と「紀土-KID- 純米」。
P1090451滋賀県は「喜楽長 純米吟醸 三方良し」と「波の音 純米吟醸 湖」。
兵庫県は「小鼓 純米吟醸」と「仙介 特別純米」というラインアップ。
肝心の酒の肴は、いつもどおり「板垣商店」さんと「清鮨」さんにお願いした。

一人でしんみり飲むのもいいかもしれないが、たまには大勢でわいわい言いながら飲むのも楽しいものだ。
和醸良酒(わじょうりょうしゅ)という言葉には二種類の意味がある。
ひとつは「和は良酒を醸す」いい酒を作るのにはたくさんの人の「和」が必要だということ。
もうひとつは「良酒は和を醸す」良い酒は人間関係をまるくし、和が生まれるという意味だ。
お客さんたちの飛び切りの笑顔を見ていたら、この言葉が浮かんできた。
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昨日、一昨日と、まるでもう冬も終わったのかと思わせるようないい陽気だった。large
おまけに昨日なんざ雨まで降りだしたもんだから、雪は溶けて地面はグズグズになるわ、あちこち滑るわで大変だった。
・・が、なんといっても寒いよりは暖かい方がいい。
長い冬もそろそろ退散か・・なんてニヤついていたら、さっそく今日は大寒波の到来
さすが今年の冬も一筋縄ではいかないわ。
昨日雨が降ったあとにシバレたもんだから、道路のすべることすべること。
あぶなく前の車に追突するところだった。

七十二侯でいえば昨日からは「魚上氷(うお こおりを いずる)」。
どじょっ子やふなっ子も「春がきたか」と思って出てきたところに、この寒波。
まとめてルイベになったべなぁ。南無南無・・。

e69344deさて、そんな寒波なんざ吹っ飛ばせってんで、今週末「全国の地酒を楽しむ会」を開催する。
今回は近畿地方二府四県12種類の地酒をどーんっと飲みくらべときたもんだ。
近畿地方といえば、古来三大酒どころといわれる「灘」「伏見」「池田」のあるところ。
ほかにも兵庫県、滋賀県、奈良県と隠れた名酒も多い土地柄だ。
兵庫の「小鼓」、奈良の「梅の宿」、大阪の「呉春」「秋鹿」などふだん馴染みの酒のほか、今回はじめて飲む「徳次郎」「三室杉」「波の音」なんてのもある。

酒の肴は、前回同様、老舗鮮魚店「板垣商店」の刺身盛り合わせと「清鮨」の酒肴盛り合わせ。
やれ異常気象だ、放射冷却現象だ、マッデン・ジュリアン振動だのいってるうちに、春は確実にそこまできている。
ここはひとつ旨い酒でも呑んで、一足先に春を味わおうじゃないか!
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