泥酔亭の成り行き日記

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申告の方もあらかた終わったんで、このあいだの休みにふと思い立って旭川に一泊で飲みに行くことにした。
rect_62921622楽天トラベルで検索したら、サンロクに近いホテルで二人合わせて四千円ぐらいで見つかった。
一軒目の居酒屋は、ちょいと不安があったが食べログで検索
なんでも魚屋直営の居酒屋があり、「鮪の一本買い」をしているので、いろんな部位を楽しむことが出来るのがウリらしい。

で、どんなもんかと入口まで行ってみると、どうにも今風な薄っぺらさ満開の店構え
ま、店構えっていってもビルの地下なのだが、大漁旗を貼り付けたり、漁網をぶら下げたりしているがドラマのセットのようでどうにも安っぽい。
入り口で帰ろうかとも思ったが、外は冷えるのでダメ元と入ることにした。
店内はベニヤ!で仕切られていて、ひとつの区切りには大きな掘りごたつ式のテーブルが四つ五つある。
今風の居酒屋はどこもそうらしいが、いろんなプランがメニュー書かれていてややこしいことこの上ない。
なんでも「赤字覚悟!」の10分百円の飲み放題がお得らしい。
めんどくさいんで「じゃ、それ!」というと、最初に時間を決めろという。
入った時から長居する気は失せていたので、ひとまず60分にしといた。
ふとみると日本酒の好きな銘柄があったので、それを注文。
で、これまたウリだという「生まぐろ三種盛り(¥550)」「マグロのユッケ」「ネギま串」「カラスはもの蒲焼き」などを注文。
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店内はそこそこに混んでいたので料理が出るまでに、またさっきと同じ酒を注文すると「このお酒は飲み放題には含まれていませんが・・」という。
negi最初から言えよ!ってんで、今さら飲み放題のメニューを見せられる始末。
でもって、出てきた料理はどれもこれも子供だまし程度の代物
「マグロのユッケ」なんぞは、味見したのか?ってぐらいしょっぱかった。
もっとも作っているのはろくに修行もしていないような、あんちゃん、ねえちゃんだろうから、期待するほうがアホだ。

浅田次郎がエッセイで「近ごろは外食がぞんざいになってきている気がする」と書いていたが、まったく味も素っ気も深みもない。
問題は、これから料理を学ぶ連中がこの程度の味をベースにして、さらに手抜きしてどんどん劣化していくことだ。
魚屋直営だかなんだか知らないが、チェーン化でもして一儲けしてやろうの考えがスケスケだ。
キャッチコピーだけご立派にすりゃ千客万来と思ってけつかる。
せいぜい軽い頭をひねって儲けてくれ。
マグロ専門のはずが、結局「カラスはもの蒲焼き」が一番うまかった。
あ〜あ、すっかり時間と金をムダにしたわ。
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60分も経っていなかったが、さっさと退散して知り合いのライブハウスに出かけることにした。
あと何年もしないうちに、居酒屋文化は無味乾燥の砂漠地帯になる気がするわ。
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日本酒c2去る2/17(土)午後七時より、ディランの冬の恒例行事「全国の地酒を楽しむ会」が開かれた。
今回で十二回目になる。
毎回「四国四県味めぐり」とか「近畿、東海の地酒味くらべ」などと地域を決めてきたが、今回は初心に戻って「しぼりたて新酒飲みくらべ」という風にしてみた。
最初は2月はヒマな時期なのと、自分の誕生日もあるため、どうせなら好きな日本酒とそれに合うツマミで一杯やろうというのがそもそもの始まりだった。

最初のころは全国あちらこちらから山海の珍味を取り寄せたり、自分で調理をしたりしていたが、あまりに忙しいので仕出しを頼むことにした。
日本酒の好きな「板垣鮮魚」さんに刺し身を盛り合わせてもらったり、ここ何回かは「仕出しのひる川商店」さんにおつまみの折り詰めをお願いしたりしている。
どちらも芦別の老舗だけあって、お客さんの評判もすこぶるいい。

肝心の酒も北は秋田県から南は熊本県まで十二種類のしぼりたて生原酒。
特別本醸造、おりがらみ、山廃純米、吟醸と種類もバラエティに富んでいる。
DSC_0303今回は珍しく、九州の酒が三種類も入っている。
お客さんが「九州にもこんなに酒蔵があるんだ・・・?」と驚いていたが、何年か前までは焼酎王国鹿児島が日本で唯一日本酒を作っていない県だったが、約40年ぶりに焼酎メーカーが日本酒を作り始めた。
これで北海道から沖縄まで、どの県にも日本酒の酒蔵があることになった。

ってなことで、いつものご常連さんから、初めて参加する人まで、定員いっぱいの27人
いつも思うことだが、酒の種類によって酔い方が違う気がする。
日本酒はなんとも大らかに和やかに酔っていくようだ。
たまたま隣り合った人とも気さくに打ちとけながら、楽しい宴は過ぎていった。
12本の一升瓶はほとんどが空になっていた。

で、陽気な酒呑みたちは三々五々、夜の巷に散っていったとさ・・めでたしめでたし。

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07_0402_05ここ数年、順調に右肩上がりに成長を続けてきた肝数値・・とくにγ-GTP
市民検診や献血のあと、気が向いた時に医師に相談するが、「お酒は飲みますか?」「はい!」「そうでしょうね」で終わり。
たまにはエコー検査なんぞをやってくれたりするけど、特に異常はないらしく「できるだけお酒を控えめに」と言われるだけですんでいる。
今さらどこからも叱られることもないだろうから書くけど、初めて酒を飲んだのは14歳ごろ
友達の家に遊びに行ったとき、みんなで面白半分に台所にあった焼酎をストレートで飲んだ。
さ、遊びに行くか!と、立ち上がろうとしたら、腰が抜けてびっくりしたのを憶えている。

hqdefault高校に入った頃は、部屋がろくでなしどものたまり場になっていたから、酒、煙草、麻雀・・その他諸々で、毎晩宴会のような騒ぎ。で、当然のように連日の飲酒。
高校を早期卒業してからも、連日連夜アホどもと鯨飲馬食の毎日
で、ディランを始めてからは本格的に酒を浴びる毎日が続いている。
なもんで、γ-GTPの高値安定も、自業自得でなんら不思議なことも不満もない。

が、昨年末の検診の結果を見てびっくりした!
前年396もあった値が146に下がっている。
しかも肝臓の他の数値GTPもGOTも一緒に下がっている。
肝臓バブルもついに崩壊の道をたどり始めたようだ。
喜び勇んで、マダムを始めお客さんにもご報告すると、マダムは「なにか大病が隠れているんでないの?」、お客さんたちは「だれかの血とまちがえたんだべ」などと、すなおに喜びをともにしてくれない。
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長年たゆまなく続けてきた飲酒で、きっと新しいアルコール分解酵素が体内に生まれたに違いない。
四種類あるというアルコール分解酵素だが、もしかすると第五の酵素が生まれたかも・・・。
大学病院あたりから、研究の要請が来たりして・・。
そうなったら、未来の酒飲みどものために、この体を捧げてやるか!

ま、妄想はこれまでとして、近いうちに再検査に行ってみようっと。
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img_0親父が大工だったおかげで、家にはいつも日本酒が大量にあった。
むかしは家を建てるとなると、出入りの業者が棟梁のところに酒などを付け届けしたおかげだ。
業者といっても、左官屋、電気工事、水道工事、塗装屋などたくさんあるから、台所はすぐに日本酒で一杯になる。
その当時の日本酒は、どれもベタ甘い、俗にいうアルコール添加の三倍増造酒
頭痛と吐き気がもれなく付いてくるという恐ろしい代物だったので、近所に配ろうにも貰い手が少ないので、つねに大量の日本酒が溜まっていた。

親父やその仲間たちはもっぱら焼酎を飲んでいたので、これまた日本酒はいっこうに減らない。
ってなことで、酒を飲むようになった頃、親父から好きなだけ持っていけというお許しが出た。
なもんで、若い頃から日本酒にだけは不自由したことがない。
またそれを当て込んで、悪友たちが夜な夜な集まり、毎夜の酒盛り
で、次の日はお約束の二日酔い。
これが日本酒というものだと思い込んでいた。

ent1510270004-p5その頃の代表的な酒といえば、石原裕次郎と宇野重吉のCMでおなじみの「松竹梅」
田宮二郎の「酒は大関 心意気」、鮪の刺身を切りながら「とろ!とろ!とろ神泉・・うーんベタ甘くないね」のとろ神泉、切れのいいやつ「多聞」、富士山をバックの「山は富士なら 酒は白雪」、かっぱのCMの「黄桜」、美味しおすえ!の「玉の光」、地元北海道では「男山」「千歳鶴」「北の誉」などがあった。
それぞれ若干の違いはあるものの、どの酒も飲むと口の周りがベタベタする甘口・・・というより、マズ口だった。

それがある日、だれかのおみやげで、初めて地酒というものをいただいた。
tsuunosake-03四国の「梅錦」という酒だった。
さっそく悪友に電話をして、二人で飲むことにした。
そいつが持ってきた「鳥よし」のおでんを真ん中に置き、湯のみでぐいっと飲んでみて、その清らかな味に驚いた。
俺たちが今まで飲んでいたのは一体何だったんだと顔を見合わせ、一升瓶があっという間に空になった。

今では日本中の地酒が、わりと簡単に手に入るようになった。
なんともうれしい世の中になったもんだ。
とかいって、また今夜も飲む。

P1030130早いもので、「全国の地酒を楽しむ会」も今年で十回目を迎えた。
毎年やりはじめたのはここ五、六年ぐらいだから、足掛け十五年ぐらいにわたって日本全国の地酒を飲んできたことになる。
一度に十二種類の地酒を口にする機会というのもめったにないせいか、毎回多くのお客さんが参加してくれる。
十回ってことは、いままでに120種類の日本酒の味くらべをしたことになる。
それでもまだまだ飲んだことのない酒や、飲んでみたい酒がたくさんある。
日本酒の世界もなかなかに奥が深いもんだ。

P1070306初めて企画したのは、自分の誕生日の2月に、なにかイベントをやろうかと思ったのがきっかけだった。
俗に「ニッパチ」なんぞといって、2月と8月は飲み屋のヒマな時期。
いまさら誕生日祝いでもあるまいってんで、じゃあ逆にお客さんに喜んでもらえるイベントをやろうってことになった。
そこでテーマを決めて、日本酒十二種類を飲みくらべすっぺ!ということにあいなった。
最初はたしか、しぼりたての新酒を飲み比べるってやつだった。
酒も火入れをする前の生酒だとまた風味が違うし、無濾過だったり、おりがらみや微発泡のものもあり、ふだん飲みなれた銘柄でも、まったく別の味わいがある。P1090446

今回は近畿地方二府四県「大阪府」「京都府」「奈良県」「和歌山県」「滋賀県」「兵庫県」からセレクトした。
大阪からは府民に人気の「呉春 本醸造」と「秋鹿 純米 能勢福」。
京都は人気銘柄「まつもと 純米 守破離」と「徳次郎 特別純米」。
奈良県は「梅の宿 純米吟醸 辛(しん)」と「みむろ杉 特別純米 露葉風(つゆはかぜ)」。
和歌山県は「雑賀 純米吟醸 しぼりたて生」と「紀土-KID- 純米」。
P1090451滋賀県は「喜楽長 純米吟醸 三方良し」と「波の音 純米吟醸 湖」。
兵庫県は「小鼓 純米吟醸」と「仙介 特別純米」というラインアップ。
肝心の酒の肴は、いつもどおり「板垣商店」さんと「清鮨」さんにお願いした。

一人でしんみり飲むのもいいかもしれないが、たまには大勢でわいわい言いながら飲むのも楽しいものだ。
和醸良酒(わじょうりょうしゅ)という言葉には二種類の意味がある。
ひとつは「和は良酒を醸す」いい酒を作るのにはたくさんの人の「和」が必要だということ。
もうひとつは「良酒は和を醸す」良い酒は人間関係をまるくし、和が生まれるという意味だ。
お客さんたちの飛び切りの笑顔を見ていたら、この言葉が浮かんできた。
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